SNSで拡散されやすいネタ元は友達のブログやツイート
2013/09/10 07:55
電通グループの電通パブリックリレーションズは2013年9月6日、インターネット上の情報流通構造調査の結果を発表した。それによると「ソーシャルメディア上で」リンクを含めた情報を第三者にシェア(共有)した経験を有する調査対象母集団においては、もっとも多くの人がシェア対象としたサイトは「友達のブログやSNS、ツイッターのツイート」だった。約6割の人が対象としている。次いで「ニュースサイトやニュースアプリの内容」「ポータルサイト」などが続いている(【発表リリース:電通PRがインターネット上の「情報流通構造調査」の結果を発表】)。
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「知り合い発の情報」が一番
今調査は2013年3月にインターネット経由で、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県在住者のうち、ソーシャルメディア上で「ニュース」「話題」のリンクを拡散(シェア、第三者に情報提供をして共有すること)経験のある15歳以上の男女に対して、インターネット経由で行ったもので、有効回答数は600人。男女比は1対1、世代構成比は10代から50代までは10歳区切り、加えて60代以上で均等割り当て。なお今回の調査対象となるような、情報拡散を積極的に行う人のことを、情報を周囲に広めるという観点で「スニーザー」(くしゃみをする人)と呼ぶ。
今調査対象母集団に対し、インターネット上でシェアしたことがある話題が掲載されていたサイトを、複数回答で挙げてもらったのが次のグラフ。見方を変えれば「主にソーシャルメディア上で、情報・内容がシェアされやすいサイト」ということになる。
↑ インターネット上でシェアしたことの有る話題が掲載されていたサイト(複数回答)
最上位についたのは「友達のブログやSNS、ツイッター」で60.8%。インターネット上の情報に限れば確証度の比較的高い一次情報足りえる「ニュースサイト、ニュースアプリ」よりも数%ポイントではあるが高い値を示しており、スニーザーにとって情報拡散のネタ元としては「知り合い発の情報」をもっとも重要視していることが分かる。
最近では個人系サイト・ブログの情報も取り扱うようになったため一概には言い切れないが、「ポータルサイト」も概して各種法人系企業発のニュースを掲載しており、その観点では「ニュースサイト、ニュースアプリ」に性質は近い。第二位と第三位は実質的に同じと考えて良いだろう。
興味深いのは第四位の「動画共有サイト」。具体的にはYouTubeやニコ動を指すのだが、これが5割近い人の共有情報ネタとなっている。動画を再生する環境が普及し、伝播される情報として動画が有効になったことを意味している。それと同時に、面白系や衝撃系などを中心に、動画の方が時として強い印象を与え、第三者に教えたくなるのが一因だろう。
それらに後れを取るものの、いわゆる「キュレーション」的なサイト、あるいはサービスを利用して構築された「まとめサイト」も上位陣に確認できる。「まとめサイト」がそれなりに情報の広域伝播、拡散のベースとして認識されていることがうかがえる。
男女・世代で異なる情報元上位陣の利用状況
情報がシェアされる元ネタとなる上位「友達のブログやSNS、ツイッター」「ニュースサイト、ニュースアプリ」について、細かい属性区分で利用率を確認したのが次のグラフ(詳細項目毎の母数が50とやや少数なので、多少のぶれが生じていることを念頭に置く必要がある)。
↑ インターネット上でシェアしたことの有る話題が掲載されていたサイト(複数回答)「友達のブログやSNS、ツイッター」
↑ インターネット上でシェアしたことの有る話題が掲載されていたサイト(複数回答)「ニュースサイト、ニュースアプリ」
「友達のブログやSNS、ツイッター」は知っている人が情報元となる。ソーシャルメディア経由ではあるが、対面による口コミ情報の拡散に近い。例えるならば「休み時間中に友達のAさんとの雑談の中で教えてもらった、美味しいケーキの店の特売の話を、帰りがけにBさんと語り合う」ようなもの。【女性がクチコミ大好きな理由とは?】でも解説しているが、女性は男性と比べて口コミに長けている。しかも情報伝播の過程も楽しむことが多い。「あのニュースで言ってたけど」よりも「Aちゃんが言ってたけど」を好み、聞く側も耳を傾ける次第である。その傾向が今項目でも如実に表れている。
一方「ニュースサイト、ニュースアプリ」は概して男性の方が高い値を示しており、しかも世代間で大きな違いは無い。これは男性は女性と比べて情報そのものに興味関心を抱く傾向が強く、その際には確証度・精細度の高い一次情報をより強く求めるからに他ならない。例えるなら「折り込みチラシに載っていた、美味しいケーキ店の特売の話を、帰りがけにチラシを見せながら友達と語り合う」ようなものだ。
今回はグラフを略したが、上記で解説したように立ち位置的に近しい「ポータルサイト」も、女性より男性の方が利用率が高く、同じような認識で情報がシェアされていることが確認できる。男女の情報に対する姿勢の違いが、ネット上のシェア傾向においても現れているといえよう。
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