参院選後に進めてほしい経済政策、「財政の健全化」に「経済成長戦略」
2013/09/02 14:45
住信SBIネット銀行は2013年8月27日、ネット選挙に関するアンケート調査の結果を発表した。それによると調査対象母集団においては、先の参議院議員選挙(参院選)後の政府に期待する、前に進めてほしい経済政策の最上位についたのは「財政の健全化」だった。6割強の人が期待している。次いで「経済成長戦略」「社会保障改革」「東日本大震災後の被災地復興」が続く。世代別では「経済成長戦略」のように各世代で同程度の期待が持たれている政策がある一方、「財政の健全化」「社会保障改革」など世代間ギャップが大きい政策も確認できる(【発表リリース:住信SBIネット銀行「ネット選挙に関するアンケート」】)。
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「財政健全化」「経済成長戦略」「社会保障改革」
今調査は2013年7月23日から29日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1375人。世代別構成比は20代83人・30代213人・40代341人・50代388人・60代350人。男女比は非公開。調査協力機関はネットエイジア。
【今選挙棄権率、若者はシニアの3倍近く・安倍内閣「不」支持者は高い傾向】などでも解説したように、先の7月21日に参院選が行われ、政治周りの注目は選挙そのものから、その後の政策動向に移ってきた。今件項目では、その政策のうち、経済方面の政策内容について確認をしたもの。具体的に複数の選択肢を挙げ、どのような経済政策を推し進めてほしいかを尋ねたところ、最上位についたのは「財政の健全化」だった。63.3%の人が希望している。
↑ 参院選後の政府に期待する、前に進めてほしい経済政策(複数回答)
次いで多くの人が希望している経済政策は「経済成長戦略」「社会保障改革」「東日本大震災の被災地復興」「若者の雇用環境の改善」「デフレからの脱却」。ここまでが、4割超の人が前進に関して同意している政策。いずれも何度となく見聞きしているキーワードばかりである。
一方、「TPP推進」「女性の社会進出の推進」などは同意率がさほど高くない。政策そのものに否定的、あるいは肯定的だが優先順位は低いと認識されているものと考えられる。内容的には一対のものと考えて良い「財政の健全化」と「消費税増税」が同じような回答率を示さず、片方のみが高い値なのは、戦略的な視点で政策が理解されていないことを表す、一つの指針かもしれない。
高齢者ほど強く望む「財政健全化」、若者が注目する「経済成長戦略」
上位陣に限ってだが、これを回答者の世代別に再計算したのが次のグラフ。
↑ 参院選後の政府に期待する、前に進めてほしい経済政策(複数回答)(上位、世代別)
「経済成長戦略」はどの世代でもほぼ同じ、高い支持率を集めている。一方、
若年層から強い支持…「デフレからの脱却」「若者の雇用環境の改善」
という傾向がうかがえる。高齢層に「若者の雇用環境の改善」の点で高い値が示されているのはやや意外だが、それ以外は「自らにとって直接プラスとなる政策に強い期待」「若者の政策への関心度の弱さ、高齢層の強さ」という、納得のいく傾向が見られる。
昨今特に耳に留まるキーワード「TPP」「消費税」だが、前者は高齢層ほど推進意見が強い。後者は(今グラフには無いが)やはり似たような動きを示している。もっとも両者とも、全体でも「前に進めてほしい」との意見は1割から2割程度でしかないが、世代別の雰囲気・考え方の違いが透けて見えるようで興味深い。
また若年層のみで順位を見ると、「経済成長戦略」「若者の雇用環境の改善」が上位2位に連なっている。経済の回復・成長による雇用市場の改善を求める声が非常に大きいことがあらためて理解できよう。
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