「宝くじで10億円当たっても働き続ける」約7割…米の場合
2013/08/24 10:00
米国民間調査機関【ギャラップ社】は2013年8月14日、宝くじの巨額当選と労働意欲に関する意識調査結果を発表した。それによると調査対象母集団においては、宝くじで1000万ドル(約10億円)当たった場合、それでも仕事をし続けると回答した人が7割近くに登ることが分かった。しかも労働そのものを継続するだけでなく、現職を継続する意欲も、経年で高まる傾向がある(【発表リリース:In U.S., Most Would Still Work Even if They Won Millions】)。
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今調査は2013年8月7日-11日にかけてアメリカ国内に住む18歳以上の就労者(フルタイム・パートタイム)の成人に対し、乱数で選ばれた電話番号へ行った電話インタビュー(英語とスペイン語)の結果を集計したもので、有効回答数は1039人。2012年3月時点の国勢調査などの統計データに基づいたウェイトバックが行われている。
日本の宝くじではロト7が最高金額8億円、サッカーくじのトトが同じく6億円。しかし海外ではそれらをはるかに超える金額が当たる可能性を持つ、各種宝くじが発売されている。今件では「仮に1000万ドル(日本円で約10億円)が当たった場合、それでも就労を続けるか、それとも仕事をバッサリと辞めるか」を尋ねている。それによると直近では68%の人が「働き続ける」と回答した。
↑ もし宝くじで1000万ドル当たったら働き続ける? 仕事を辞める?(米、経年別)
仕事を辞めて、恐らく利子生活などの隠居生活につく人は3割強に留まっている。経年別ではぶれがあるが、昔と比べると仕事の継続派が増えているように見える。普通の生活をするには十分過ぎるほどのお金が手に入っても、それでも仕事を続けるところを見ると、単に稼ぎを得る以上の何かを仕事に見出しているものと考えられる。
一方、「就労継続」について「今現在の仕事を続ける」と、「働き続けるには違いないが、今とは別の仕事につく(例えば今の仕事はキツいので、もう少し楽なタイプの仕事に転職する)」に区分した結果が次のグラフ。
↑ もし宝くじで1000万ドル当たったら「今の仕事を」続ける? 「他の仕事で」働き続ける? 仕事そのものを辞める?(米、経年別)
「今の仕事を続ける」人が経年と共に増えている。これは上記の「稼ぎを得る以上の何かを仕事に見出している」について、単に就労そのものだけでなく、今の職場(あるいは職種)そのものに魅力を覚えている人が増えているからなのだろう。
無論これらの回答のほぼすべては、「たられば」でしかない。日常ではこのように思っていても、実際に当たった場合にはどのような反応を示すか、それに関するデータは無い。とはいえ、多くの人の心持ち、気概として、「一生遊んで暮らせるお金が手に入っても、今の仕事を続けたい」とする人が増えている状況は、同国における就労に対する意識に微妙な変化が生じている証なのかもしれない。
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