朝食に求められるものは「手軽に」「手早く」「簡単に」
2013/09/04 08:45
ライフメディアのリサーチバンクが2013年8月14日に発表した「朝食に関する調査結果」によると、調査対象母集団のうち朝食を毎日・あるいは時々食べている人においては、朝食へのこだわり・求めるものとしてもっとも多くの人が同意を示したのは「手軽に食べられること」だった。6割強の人が望んでいる。次いで「手早く食べられる」「準備・後片付けが簡単」が続いている。男女別では概して女性の要望が強く、特に女性が担当する場合が多い準備・後片付けの点で、男性より高い要望率が示されている(【発表リリース:朝食に関する調査】)。
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朝のどたばた感が朝食の需要を決定づける
今調査は2013年8月2日から7日にかけて、10代から60代の男女にインターネット経由で行われている。有効回答数は1200人。男女比、世代構成比(10歳区切り)で均等割り当て。
先日【朝食取らない人は9%、理由は食欲・習慣・時間が無い】でも記した通り、今調査対象母集団では92%近くの人が毎日、あるいは時々朝食を摂っている。
↑ 朝食を食べているか(再録)
そこでこれら朝食を食べている人に、その朝食へのこだわり、あるいは求めているものについて、複数回答で尋ねたところ、最上位に挙がったのは「手軽に食べられること」だった。61.7%の人が求めている。
↑ 朝食へのこだわり、求めるもの(複数回答、朝食をほぼ毎日食べる、時々食べる人限定)
第二位の「手早く食べられる」と混同しがちだが、「手軽に」は時間以外に手間もかからずに、「手早くは」単純に時間のみに焦点が当てられている。また前者は多分に作り手側の苦労も考慮されている。ともあれ朝食には短時間で労力のかからないものが求められていることに違いは無い。第三位の「準備・後片付けが簡単」もまた、時間的制約を多分に受けた形となっている。
食事として本来求められる栄養的な要素は第四位以降、しかも需要そのものは3割にも満たない。いかに現代社会において、朝の時間帯が切羽詰まった状態であることがうかがいしれよう。
「朝の戦場」の主役は女性、朝食への願いも強い
これを男女別に見たのが次のグラフ。概して女性の方が強いこだわりを持っている。
↑ 朝食へのこだわり、求めるもの(男女別)(複数回答、朝食をほぼ毎日食べる、時々食べる人限定)
これはひとえに朝食の用意をはじめ、朝の多忙時間帯に一番忙しくなるのが女性(母親)であるからに他ならない。一般的な世帯では早めに起きてお弁当の用意をしながら朝食も準備し、配偶者や子供たちを起こし、出勤・登校の準備を後押し。そして朝食の片づけを終えて、ようやく朝の家事がひと段落つく。共働き世帯の場合なら、この直後、あるいは少々の家事(洗濯ものやちょっとした掃除)を終えて、すぐに出勤しなければならず、休む暇もない。
当然、女性の立場からすれば、時間を少しでも短縮できるような朝食が望まれる。特に「準備・後片付けが簡単」の点で男女差が大きく出ている点を見ると、朝食の準備や片づけに手間取っているようすが透けて見えてくる。
朝の時間に少しでも余裕を持たせるには、家族の出勤・登校の時間を遅くするか、早起きをするしかない。しかし前者は会社・学校側の事情によるものなので、変更することは不可能(会社や学校のそばに引っ越せばある程度短縮できるが、現実的ではない)。
一方、すでに女性は男性よりも起床時間は早い傾向にあり、睡眠時間を考えれば、これ以上の早起きは難しい(【大学生が一番怠惰!? 世代別の起床時刻(2011年社会生活基本調査)】)。
↑ 年齢階級、性別平均起床時刻(2011年)(平日)(再録)
「食事」という観点では本来もう少し順位が繰り上がるべきはずの「健康に良い」「栄養バランスが良い」などに重点が置かれるには、朝の時間、特に女性の時間の融通ができるよう、家族皆で協力をする必要があるのだろう。
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