「歩きスマホ」規制賛成2割・反対3割、規制されても続ける人3割強

2013/08/21 07:55

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リビジェンは2013年8月8日、歩きながらスマートフォンを操作する行為「歩きスマホ」に関する、若年層の意識調査結果を発表した。それによると調査対象母集団において、「歩きスマホ」に法令や条例で規制をする必要があると考えている人は2割に留まっていることが分かった。不必要とする意見も3割足らずで、多くは意見留保の状態にある。一方、仮にその条例などが成立・施行したとして、「歩きスマホ」を続けるか否かを聞いたところ、それでも続けると答えた人は3割強に達していることが分かった。続けない派は4割を超えており、一定の成果が上がるものの、多くは望めない可能性を示唆する結果となった(【発表リリース:「歩きスマホ」の規制は難しい!?】)。



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今調査は2013年8月5日にスマートフォンを用いたインターネット経由で行われたもので、対象となったのは10代・20代の男女。有効回答数は500人。世代・性別区分は未発表。

先行記事【1/3強の若者は日常的に「歩きスマホ」、主にSNSやメールを確認】にある通り、「歩きスマホ」の経験者は9割近く、日常的にする人はそのうち4割、調査対象母集団全体では35%に達している。

↑ 「歩きスマホ」の経験があるか(再録)


↑ どの位の頻度で「歩きスマホ」をするか(経験者限定)(再録)

一方、スマートフォンの普及率向上、特に若年層への浸透に伴い、「歩きスマホ」のような「ながら行為」も社会問題化されつつある。例えば【駅ホーム歩行中の携帯電話操作などに注意・りんかい線が注意喚起】で紹介している、駅ホーム上のリスク行為には、飲酒状態・携帯音楽プレイヤーへ注力・携帯ゲーム機への熱中状態に加え、携帯メール(図版を見る限りスマートフォン)に夢中になっている様子が描かれている。

今後さらに状況が悪化すれば「歩きたばこ」同様に、法令、あるいは自治体レベルでの法的拘束力がある条例で、「歩きスマホ」に規制がかかる可能性は否定できない。例えば東京都・杉並区では【杉並区の喫煙ルール】の解説にある通り、区内全域で「歩きたばこ」が禁止されている(罰則はない)。これと同じような規制が提起される可能性はゼロとはいえない。

そこで今調査対象母集団に、「歩きスマホ」に対して「歩きたばこ」のように法令や条例などで規制する必要があるか否かを聞いたところ、賛成派は22.8%に留まり、反対派は28.2%という結果が出た。やや反対派が多いところを見ると、法的な縛りは好ましくないとの意見が多数派に見える。


↑ 「歩きスマホ」に対し「歩きタバコ」同様に法令や条例などで規制する必要はあるか

もっとも「どちらとも言えない」との回答はほぼ半数。これは調査対象母集団の多くが未成年者で、「歩きたばこ」の規制そのものが自分の生活には影響が無いため、連想が付きにくいと考えられる。見方を変えれば法的規制に対する問題意識そのものは希薄、と見なすこともできよう。

では仮に、何らかの形で規制が入った場合、「歩きスマホ」を続けるだろうか。これに対しては4割強が「止める」と回答する一方、3割強は「それでも続ける」と答える結果となった。


↑ 仮に法令や条例で規制が入っても、「歩きスマホ」を続けると思うか(回答者自身が)

法的拘束力付きの規制の意味を今一つ理解していない人が、多分にいると思われる結果といえる。「歩きたばこ」の規制事例を見るに、仮に規制が行われても過料(罰金)程度の罰則に収まるだろうが、法令・条例に抵触した行為には違いない。

リリースには「続ける派」の理由がいくつか列挙されているが、「バレなければやってしまう」「便利だから」「必要だから」とあり、やはり「なぜ規制されるのか」を今一つ理解していないようすがうかがえる。

状況によっては「歩きスマホ」はマナーの範ちゅうでしかないとする見方もあるが、上記の駅ホームでの事例にもある通り、本人はもちろん周囲にも多大なリスクを及ぼし得る。今後さらに社会問題として具体的事故例が生じ、法的規制の機運が高まる前に、各自が注意をし、互いに啓蒙することをお勧めしたい。



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