今選挙棄権率、若者はシニアの3倍近く・安倍内閣「不」支持者は高い傾向
2013/07/23 11:30


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投票棄権率は27%、若年層では4割を超える
今調査は2013年7月21日20時(参議院選挙投票終了直後)から22日8時までの間に、インターネット経由で行われたもので、調査対象は全国20代から60代の男女。有効回答数は2000人で、2010年国勢調査による性別・年齢別人口比率に基づく割付が行われている。
【インターネット選挙活動解禁、知ってる人は9割近く・内容までなら2割足らず】で解説したように、2013年7月4日公示・21日投票が行われた第23回参議院選挙では、日本で初めてインターネット選挙運動が解禁された。それに伴い選挙活動も少なからず様変わりし、その選挙結果が注目された。しかし総務省の集計によれば選挙区選挙の投票率は52.61%(前回比マイナス5.31%ポイント)、比例区では52.61%(前回比マイナス5.31%ポイント)となり、前回選挙を下回る形となっている。
今調査対象母集団では今選挙に投票せず、棄権をした人の割合は27.0%。選挙全体の棄権率47.39%と比べるとかなり低い値を示している。

↑ 今参議院選挙の棄権率(属性別)
今調査はインターネット経由のもので、特にシニア層では世間の実情とのかい離が生じる可能性があるが、それを考慮しても選挙全般の現状がよく表れる結果となっている。
まず最初に目に留まるのは「世代別棄権率の違い」。若年層ほど棄権率が高く、高齢層ほど低い。世代間では最大3倍近くの差が出ている。元々高齢化社会への突入で、高齢層ほど人口比率が高い昨今において、さらに若年層ほど棄権率が高ければ、世代別の投票「数」には一層大きな差が生じる。「若年層は政治家へのアピール力が低い」最大の原因が良くわかる。
また選挙そのものへの関心が薄い人は、その多くが前回の衆議院選挙に投票せず、今回の参議院選挙も棄権したようだ。前回棄権した人のうち7割以上が、今回も投票しなかったと回答している。
さらに今選挙に限った傾向として、現安倍内閣の支持・不支持別の棄権率の違いが注目に値する。支持者の棄権率は18.6%でしかなかったが、不支持者は25.7%にも達している。これが今参議院選挙で与党が圧勝した一因といえる。詳しくは次項で解説するが、不支持者の棄権理由の多くは「支持すべき対象が見つからずに棄権した」というパターンである。
高齢層や与党不支持者は「投票政党・候補がない」ので棄権
この投票棄権者に、棄権した理由を「投票したい政党・候補者が見つからない」「投票しても結果に影響がないと思った」「他の用事で都合がつかない」「はじめから投票に行くつもりなし」の4つから選んでもらった結果が次のグラフ。

↑ 投票しなかった理由(棄権者限定)
投票を棄権した人のうち6割強は何らかの形で投票するつもりだったものの、理由があり投票できなかった(青系統部分)とある。3割近くは「都合がつかない」、2割強は「投票先が見つからない」、そして1割は「自分の1票は大した意味がない」という心境によるもの。
これを世代別に見ると、若年層ほど「投票したいが忙しくて都合がつかない」が多く、歳を経るほど「支持したい政党や候補が無い」が増えてくる。また概して若年層ほど「はじめから投票するつもりはない」とする意見も多い。前者については投票機会を増やす、例えば投票所を公共交通機関内(駅周辺)に設けるなどの工夫をすることで、若年層の投票率上昇が期待できることを示唆する結果と言える。
今選挙で与党非支持派が苦悩した上で棄権したことが分かるのが「安倍内閣支持別」と「前回衆議院選挙投票先別」。与党支持派の棄権者は多分に「投票したいが忙しい」が最多回答な一方、非支持派の多くは「投票したい政党・候補が無い」を棄権した理由に挙げている。
つまり「現与党は支持したくない。しかしそれを明確化できる対抗候補・政党が無いので投票先が見つからない。仕方ないので棄権するしかない」という結果によるものである。前与党の凋落ぶり(実体の露呈)や、第三極と呼ばれる各野党への評価の表れとも認識できよう。
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