前年比85円増の706円…男性会社員の昼食代事情(最新)
2024/07/14 02:38
多くの男性会社員にとって「昼食代」は自分のこづかいの出費先として、そして数少ないお楽しみの時間を充足させる重要な要素として、注目に値する金銭的な要素に違いない。ある意味テレビや新聞で見聞きする数々の経済的な指標以上に身近で生活に密着する、ウェイトの大きな金銭面での数字ではある。今回はSBI新生銀行が毎年定点観測的に調査・報告をしている「会社員のお小遣い調査」の最新版(2024年6月28日発表)などを基に、その男性会社員の昼食代事情について、少し掘り下げる形で経年変化や属性別の動向を確認していくことにする(【男性会社員のお小遣い額は39081円、女性会社員は34921円 「2024年会社員のお小遣い調査」結果について】)。
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今調査の調査要件などは先行解説記事【前年比1477円減の3万9081円…2024年の男性会社員こづかい事情(最新)】にあるので、そちらで確認のこと。
物価がほぼ横ばいで推移する中、男性会社員の昼食代は今世紀に入ってから漸減。500円台前半で横ばいを維持していた。いわゆる「ワンコインランチ」(500円玉一枚で購入できる昼食との意味。実際にはもう数十円必要)状態が継続中だった。しかし景況感の回復を受け2013年以降は上向きに、そして2015年以降は横ばいから緩やかな下落への流れを見せていたが、直近年となる2024年では前年比で増加を示す形となった。
↑ 男性会社員の1回あたりの平均昼食代(弁当持参時をのぞく、勤務日、円)
直近の2024年は前年比で85円の増加。700円台は2001年に記録した710円以降、23年ぶり。大きな増加を示した理由について報告書では特に説明はないが、ロシアによるウクライナへの侵略戦争で生じた世界的な資源高騰による物価高で、価格が高い場所での食事や割高なお弁当の購入を余儀なくされた結果の可能性がある。単純に昼食代が上昇したからと素直に喜べないのが実情だ。
直近分につき属性別に見たのが次のグラフ。
↑ 男性会社員の1回あたりの平均昼食代(弁当持参時をのぞく、勤務日、属性別、円)(2024年)
過去の調査結果では、おおよその調査年において属性別では未婚の方が既婚よりも昼食代は上の動きを示している。しかし直近年では既婚の方が高い結果が出てしまっている。2024年に限れば、大体は既婚の方が昼食代は高いと見てもよいだろう。またストレートに推測すれば、子供はいるよりいない方が、妻は主婦より共働きの方が、金銭面で余裕があるように思われるので、その分昼食代も高くなるとの話が導き出される。
年齢階層別では30代で高い値が出ている。こづかい額は低めのため(30代は3万6196円で、40代の3万6089円に次いで低い値)、無理をして、あるいはせめて昼食ぐらいは贅沢をしてもよいだろうと考えた結果だろうか。
「昼食代は700円台」「未婚者よりも既婚者の方が昼食代は高め」「子供の有無や妻が共働きか否かで、昼食代には差異が生じうる」現在の男性会社員の昼食事情はこのようにまとめることができる。肝心の昼食代そのものは、今後は700円台を維持し、さらには上乗せをすることで、男性会社員の昼食にもより多くの選択肢をもたらし、彩りを添えてほしいものだ。
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