オンラインゲームで遊ぶ友人は平均で16人、半数は「ネット上だけの友人」

2013/07/26 07:55

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総務省の情報通信政策研究所は2013年7月5日、同所公式サイトにおいて「青少年のインターネット利用と依存傾向に関する調査」の報告書を公開した。これには若年層のインターネット利用状況、そしてインターネットへの依存に関する調査の結果がまとめられている。その内容によると調査対象母集団のうちオンラインゲーム・ソーシャルゲームを利用する人では、ゲーム上で遊ぶ友人数は平均で約16人であることが分かった。そのうち半数はインターネット上だけの友達となっている。所属学校別では高校生がもっとも多く約27人で、6割近くはネット上だけの友達で占められている(【情報通信政策研究所:発表リリース一覧ページ】)。



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オンラインゲームで遊ぶ友人、元からリアルで知っていた人は6.3人のみ


今調査の調査要件、調査対象母集団の詳細などは先行する記事【トップは「携帯メール」、次いで「携帯通話」…若年層は家族との連絡に何を使うか】に掲載している。そちらで確認してほしい。

今調査対象母集団のうちオンラインゲーム・ソーシャルゲームを利用する45.2%に対し、そのゲームで一緒に遊ぶ友人の数を尋ねた結果が次のグラフ。友人の区分として「元々現実でも知っていた人」「インターネット上で知り合い、現実でも友人となった人」「現実には会ったことは無く(互いの現実での正体を知らない場合を含む)、インターネット上のみでの友人」を用意し、それぞれに当てはまる人数を答えてもらっている。


↑ オンラインゲーム上で一緒に遊ぶ友人数(オンライン・ソーシャルゲーム利用者限定)

一番多いのは「ネット上のみ」で8.4人。次いで「現実で元々知っていた」が6.3人。オフ会などで知り合い、「ネットから現実でも友人になった」人の数は1.6人と少なめ。合わせて16.3人が「オンライン・ソーシャルゲームで一緒に遊ぶ友人の平均人数」となる。

男女別ではいずれの項目も男性の方が多い。元々オンラインゲームなどは一部ジャンルをのぞき、男性の方が積極的に遊ぶ傾向が強いことから(【パズルゲームが一番、3割強…若年層が遊ぶオンライン・ソーシャルゲームジャンル】)、ゲームそのものへの取り組みへの意気込みが、そのままゲーム上で遊ぶ友人の人数の差に出ているのだろう。

学校別、ネットへの依存別、スマホ所有別で友人数に差は出るか


それでは各種属性区分で、オンライン・ソーシャルゲームでの友人数の違いを見ていくことにする。まずは所属学校種類別。


↑ オンラインゲーム上で一緒に遊ぶ友人数(オンライン・ソーシャルゲーム利用者限定)(所属学校別)

現実での友人とネット上でも遊ぶ事例は小学生から多く、人数そのものに大きな違いはない。一方でネット上のみでの友人数は小学生が1.3人のみで、高校生の16.1人と比べると10倍以上の差が出ている。これは多分に保護者から「実際に会ったことがない、知らない人との付き合いは、たとえゲーム上でもしないように」と止められていることが考えられる。

他方、友人数がもっとも多いのは高校生。全項目を足すと27.3人となり、そのうち59.0%がネットのみでの知り合いで占められている。ゲームなどでは高校生がもっともアクティブに活動している実態が、同調査別項目でも示されているが、この「ネット上のゲーム友達の多さ」もまた、それを示す一つの指標といえる。

続いてインターネットへの依存傾向に関する区分から。当然な話だが、依存度が高い(高得点者)ほど、人数が多い。


↑ オンラインゲーム上で一緒に遊ぶ友人数(オンライン・ソーシャルゲーム利用者限定)(ネット依存傾向周り)

興味深いのは「元々現実世界で知っていた友人」は、ネット依存度合いに関わらずほぼ一定なこと。ネットへの依存度が高いほど、ネット経由で知り合い現実でも友人になった、あるいはネット上のみの友人数が多くなる。特に依存的傾向が高い値の人では、27.7人もの「ネット上のみのゲーム友達」が居ることになる。

最後はスマートフォンの所有・非所有別。今件のオンライン・ソーシャルゲームのプレイ状況は利用端末を限定していないので、「スマートフォンを持っていない」人は多分にパソコンからのプレイスタイルなのを留意する必要がある。


↑ オンラインゲーム上で一緒に遊ぶ友人数(オンライン・ソーシャルゲーム利用者限定)(スマートフォンの保有状況別)

スマートフォン所有者の方が、リアルが絡んだ友人数は多い。ネット上のみのゲーム友達の数は所有・非所有で変化はない。これはスマートフォンそのものの特性というよりは「スマートフォン所有=高学年者が多い」「非所有=低学年者が多い」傾向が影響しているものと考えられる。



今件はあくまでもオンライン・ソーシャルゲーム上のゲーム友達の人数であり、チャットや掲示板、ソーシャルメディア上の知り合いとなれば、さらに数は増える。「友人」の定義次第だが、例えばツイッターで互いにフォローしあっている人を「友人」と数えるのなら、数百人、数千人との回答も十分にありえる(Facebookならもう少し厳格なものとなるが…)。

ゲームを介した友人とはいえ、多かれ少なかれ意思疎通を図る機会が出てくる。場合によってはそれをきっかけに、例えばメールやソーシャルメディアのチャット、コメント欄、メッセージ機能など、ゲーム以外の場面でのやり取りも行われることだろう。交流そのものは悪いことではないが、それを悪用する人が居るのも事実。

特に分別がついていない層においては、保護者による啓蒙が強く求められることになる。くれぐれも注意してほしいものだ。



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