若年層の28%は「自分はネット依存」と考えている
2013/07/14 14:00


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「自分はネット依存」28.0%
今調査の調査要件などは先行記事【トップは「携帯メール」、次いで「携帯通話」…若年層は家族との連絡に何を使うか】を参考のこと。
先日の記事【スマートフォン保有者の方が「ネット依存傾向」は強い法則】でピッツバーグ大学の心理学者キンバリー・ヤング博士の診断基準「Young20」をベースに、「ネット依存的傾向」に関する自己評価に関する話をした。20のインターネット関連の項目に答えてもらい、その結果から得点を加算し、高い人ほど「ネット依存的傾向」が強いという仕組みである(数字が高いからといって、治療が必要となる「ネット依存」にそのままつながるわけではないことに注意)。
今項目ではもう少し具体的に、インターネットを利用することによる日常生活への影響について、自己分析をしてもらった結果が描かれている。それによると包括的に「自分はネット依存だと思う」と考えている人は、全体で28.0%に達していた。

↑ ネットを利用することによる日常生活への影響の自己分析
具体的要件になると回答率は低くなるが、「ネット利用が原因で引きこもりになった経験がある」人は4.6%、「ネットを利用していて約束事を忘れた経験がある」人は4.0%に達している。ネットの利用といっても「ネットゲーム」や「サイト閲覧」「メールやチャットでのコミュニケーション」「ソーシャルメディアの利用」「動画視聴」など多種多様に及ぶが、それぞれ違うベクトルでの魅力に富んでいることに違いは無く、気が付けば時の経過を忘れ約束事も忘却してしまうことは、十分にありえる。「夢中になって、つい約束を忘れた」事例は、何もネット関連に限らない話だからだ。
また、ネットに多額のお金を投資してしまっている(例えばゲームのアイテム購入やサービスの利用料金)、ネットを利用しすぎて現実の人付き合いが疎遠になった・悪化したとの経験を持つ、さらには進行中の人も数%ほどいる。中には不登校や留年、休職の経験を持つ人や、病院に担ぎ込まれた人まで確認できる。「ネット依存」自認者よりは少ないとはいえ、見過ごせない値ではある。
「自分はネット依存だと思う」の自覚を属性別で
元資料には各項目で属性別の回答率が示されている。個々の事例を提示・精査すると雑多になるので、今回は元々の値が一番高く、包括的な回答項目でもある「自分はネット依存だと思う」について、確認をしていく。

↑ 自分はネット依存だと思う(属性別)
「ネット依存的傾向別」内の「ネット依存自覚者」が100%となっているが、これは自覚者に聞いているので当然の話。各点数区分は上記にあるYoung20を元にしたチェックで、高得点ほど「ネット依存的傾向」が強いものだが、最高区分にある「70点以上」では74.2%の人が自覚をしていることになる。
これは客観的に多数の要件で見てネットへの依存傾向が強い結果が出ている人なのだから、自覚もあって当然という見方も出来る。一方で「ネット依存的傾向」が高いにも関わらず、その自覚がない人が1/4強もいる、との切り口もある。資料でも「いわゆる『ネット依存症』の場合、自覚がないことが多いと言われている点には注意」との但し書きがあり、この1/4がその「自覚の無いネット依存」の人と考えられる。
男女ではやや女性が多く、学校種類区分では中学生までは低め、高校生以上はほぼ同一で4割程度だが、高校生が一番高い値を示している。高校生は先のYoung20のテストでも最大値を示しており、納得のいく結果ではある。とはいえ、大学生・社会人との差はほとんど無く、高校生もまた多分に、自分がネット依存状態であることを自覚していない人が少なからずいることを示唆している。
またスマートフォン所有別に見ると、スマートフォン保有者の方が高い。スマートフォンの方ができることが多く、その機動力と合わせ没頭できる時間が増えるのが原因だろう(スマートフォン非保有者の区分には、一般携帯電話も含め携帯電話そのものを持ち合わせていない人もいることに注意)。
携帯電話もパソコンも、そしてインターネットも「道具」でしかない。しかしそれを用いて出来ることが楽しすぎると、つい夢中になり、そして依存状態に陥ってしまう。これは上記でも触れているが何もインターネットに限った話では無く、例えばギャンブルやその他嗜好品にも言える、起きうる症状である。インターネットの場合は出来ることがあまりにも多種多様に及び、仕事や学業でも使える・使うため、ハードルが低く、リスクも高いだけの話。
自分の状況を客観的に見直すことで、正しい自己判断が可能になる。もし今件の各項目に当てはまる自覚があるのなら、まずは自分自身とインターネットとの関係を、一歩引いて再確認してみよう。
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