ネット利用者の今参院選での「ネット選挙運動」理解率は8割、参考媒体としてネットが大幅上昇・テレビや新聞は減少へ
2013/07/09 14:45


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「ネット選挙の内容を理解」85.1%、「ネット情報を活用」80.4%
今調査は上記6社のサービス利用者を対象にインターネット経由で2013年6月30日から7月1日にかけて行われたもので、有効回答数は1738件。男女比は75対25、世代構成比は20代15.4%・30代26.1%・40代27.3%・50代17.4%・60歳以上13.8%。世代構成比が世間一般と比べてやや若年層に偏りがあること、6社サービス利用者が対象なので、幾分ではあるがインターネットとの関わりにおいて世間全体と比べるとウェイトが大きい人がやや多い点に(今件はネット絡みの話であることから)留意する必要がある。
先日【インターネット選挙活動解禁、知ってる人は9割近く・内容までなら2割足らず】でも解説したが、7月23日に投票が行われる参議院選挙は、日本では初となるインターネット選挙運動が解禁された国政選挙となる。
そこで今調査対象母集団に対し、このネット選挙運動の内容、注意点、禁止事項などについて、どの程度理解しているのかを聞いたところ、20.7%はよく理解している・64.4%は大体理解していると答えた。内容まで一定以上の理解を示した人は85.1%という計算になる。

↑ ネット選挙運動の内容理解度
言葉位は聞いたことがある人は14.1%。まったく知らなかった人は1%にも満たず、周知度の高さが分かる……とはいうものの、これは前述の通り、ある程度インターネットのサービスに精通している人が対象となるので、当然の結果かもしれない。
このネット選挙運動解禁により、今参院選ではこれまで以上にインターネット上で政治関連の情報が提供されることになる。それらの情報を、投票の際に参考にするか否かを尋ねたところ、80.4%は活用したいと回答した。

↑ 参院選でネット上の情報を参考にするか
活用しない人は1ケタに満たず、判断が付きかねる人も1割程度。多くの人はこれまでもインターネット上の情報を投票の上で参考にしていたのだろうが、今回「選挙期間中」の「インターネット上の選挙運動」が認められたことで、より身近に、より分かりやすい形で情報が得られるようになる。期待も込めて活用すると考えており、その結果が出たと見れば道理は通る。
伸びるネット、落ち込むテレビや新聞…投票時に利用したい媒体
それでは昨年末の衆議院総選挙と、今回の参院選それぞれで、投票の際に情報を活用した・したい媒体には、どのような変化が生じているだろうか。次のグラフがその結果。媒体同士での立ち位置、順位には変化はないものの、個々媒体の前回と今回における活用度には小さからぬ違いが生じている。

↑ 2012年総選挙と今回の参院選について、投票の際に情報を活用したい媒体の比較
いわゆる4マスではテレビ・新聞・雑誌・ラジオの順。元々調査対象母集団がネット精通者であることから、意外に値は低い。その中でも上位にあるテレビと新聞で、前回から利用率が大きく減少しているのが目に留まる。一方雑誌はわずかながら逆に増えているのも注目に値する。
インターネットの活用者は87.7%。昨年の総選挙時と比べ、16.8%ポイントもの増加。やはりインターネット選挙運動の解禁が大きく影響を及ぼしているのは間違いない。
興味深いのは、選挙公報やビラの値ですら減っているにも関わらず、街頭演説の値が2.0%ポイントも増加していること。可能性としてだが、これまでにも各政治家の街頭演説のようすが多分に動画共有サイトなどで公的に配信、さらには第三者によって撮影されたものが公開されており、これが親和性をもたらしたのかもしれない。見方を変えると、回答者が「リアルな街頭演説」だけでなく、「街頭演説を録画した動画の視聴」も含めて答えている可能性もある。
今回はグラフ形成を略するが、政治そのものへの関心度が高い人ほど、ニュースサイトや政党・候補者のウェブサイトやブログの情報を活用したいと考える人の比率は高くなる傾向にある。当然といえばそれまでなのだが、公式ウェブサイトでの記述はもちろん、自身のブログ、さらにはFacebookやツイッター、ラインでの発言までも含め、不特定多数の第三者に閲覧され、支持する・しないの意志判断、そして投票の際に参考材料とされうることを、当の立候補者や関係者は忘れてはならない。
特にソーシャルメディア、中でもLINEやツイッターなどのマイクロブログでは、「おしゃべりのようなものだから」と軽率な言動を行う事例が少なからず見受けられる。くれぐれも気を付けてほしいものだ。
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