「新聞は無くてはならない、信頼できる情報源」8割…70代の4マスへの期待
2013/07/05 08:45
博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所は2013年7月2日に同所公式サイトにおいて、東京在住の70代によるメディアとの接触や生活意識、消費行動に関わる調査結果を発表した。それによると調査対象母集団においては、全員がテレビを視聴し、新聞も9割以上が購読していることが分かった。また、テレビは放送時間にリアルタイムで観ることが多い人が8割超、新聞を「無くてはならない」「信頼できる情報源」と考えている人も約8割に達するなど、いわゆる4マスに傾注している様子をうかがえる結果が出ている(【発表リリース:70代のメディア接触と生活意識・消費行動に関する調査報告】)。
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今調査は東京在住の70代の男女に郵送調査方式で実施されたもので、有効回答数は227件。男女比は101対126。70代前半は123人、後半は104人。
今調査対象母集団に4マス(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)の利用性向を尋ねたところ、テレビは100%、新聞は93.4%と高い利用率を示した。雑誌は63.4%など、残り2マスはやや低めだが、それでも過半数は超えている。
↑ 4マス利用性向(70代)
そこでそれぞれのメディア利用者に、いくつかの設問を用意し、個々メディアへの注力・傾注度を推し量った結果が次以降のグラフ(具体的数字が公開されておらず再構築ができないので、資料のものをベタ貼りしている)。
まずはテレビ。
↑ テレビへの傾注度を推し量る設問
テレビは放送されている時間に観ることが多い、つまり放送時間に自分の生活リズムを合わせることが多い人が8割超え。テレビを主体とした日常生活をしている様相が透けて見える。一方で録画して観ることがあるとする人は4割近くに留まっており、リアルタイム視聴中心であるのを再確認できる(見方を変えると、録画視聴が出来る70代のテレビ視聴者は約4割もいるということになる)。
また「ながら視聴」、あるいはラジオや環境音楽代わりにテレビを使っている人は3割強。女性の方が多いのは、テレビを観ながら家事をしているからなのかもしれない。
続いてラジオ。
↑ ラジオへの傾注度を推し量る設問
テレビはサイズや配置環境もあり、複数人数の世帯では皆で観る場合が多い。しかしラジオは一人で聴くことが多いとする人が8割を超えている。また、リラックスできる、身近に感じるとする人も7割強居て、一人用のエンタメ機材として重宝されていることが分かる。また全般に女性の方が回答率が高いが、これはテレビ同様、家事をしながらの「ながら視聴」によるものだろう。
新聞は全般的に男性の方が回答率が高い。
↑ 新聞への傾注度を推し量る設問
「世の中を知るのに新聞は必要不可欠」「情報氾濫の世の中だからこそ、新聞は信頼できる情報源として欠かせない」など、インターネットをはじめとする新メディアの普及の中で、さらに新聞への傾注度、信頼性を高めるシニア層の現状が「約8割の回答率」という結果に表れている。さらに「休みの朝は物足りない」も8割近くいるなど、生活の中に深く組み込まれているようすもうかがえる。
最後に雑誌。これは多種多様な種類があるからか、回答率は他の3マスと比べて低め。
↑ 雑誌への傾注度を推し量る設問
雑誌が話のネタ、きっかけとなるという人は6割、実際に雑誌の内容を話題にしたことがある人もほぼ同率。発売期間の都合からリアルタイム性に乏しい雑誌だが、専門色が強いことから、コミュニケーションのツール・素材として多くの高齢者が用いている実情がうかがえる
今件はあくまでも70代限定のもので、他の世代との比較ができない。そのため断言は難しいものの、従来型4マスへの高齢者の傾注度、特にテレビと新聞への高さが再認識できるものとなっている。特に新聞への信頼度の高さは、注目に値する。
高齢化社会に伴い、シニア層の人口比率が増加する昨今、4マスに関する「世間一般」の立ち位置について考える場合、これらの層の考え方を把握しておかねばならないことは言うまでもあるまい。
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