全年齢階層で携帯電話>パソコンの時代…インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率(最新)

2024/08/02 02:45

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2024-0729パソコンや携帯電話(従来型携帯電話とスマートフォン双方)は現状ではほぼイコール「インターネット利用機器」として存在している。家庭用ゲーム機ですら、パソコンなどと比べると融通は利かないものの、インターネットへのアクセスが当たり前となっている。それでは実状として、それらの機器のインターネット端末としての利用率はいかなる状況なのだろうか。総務省が2024年6月7日に詳細値を発表した「通信利用動向調査」を基に、その実情を確認していくことにする(【発表ページ:通信利用動向調査】)。

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今調査の調査対象母集団数や調査期間など、調査要項は先行記事【光回線は59.1%、携帯電話回線は52.8%…自宅パソコンのインターネット接続回線の種類(最新)】で解説済み。必要な場合はそちらを参考のこと。

今回メインとして精査するのは、「携帯電話(従来型携帯電話とスマートフォン双方)」によるインターネットの利用率。比較対象としてパソコン、さらに単独で「タブレット型端末」「家庭用ゲーム機」をカウントしている。

今件利用率はインターネットそのものを利用している・していない人を合わせた、調査対象母集団全員を対象にした、全体比であることに注意。例えば今回の2023年時点でパソコンの全体値は47.4%であることから、調査対象母集団全員の5割近く(インターネット利用者全体の、ではない)は、パソコンを使ってインターネットにアクセスしている計算になる。

↑ インターネット機器としての個人の機器利用率(全体比、パソコンと携帯電話、年齢階層別)(2023年)
↑ インターネット機器としての個人の機器利用率(全体比、パソコンと携帯電話、年齢階層別)(2023年)

↑ インターネット機器としての個人の機器利用率(全体比、パソコン以外、年齢階層別)(2023年)
↑ インターネット機器としての個人の機器利用率(全体比、パソコン以外、年齢階層別)(2023年)

【テレビはメディア全体の3割近く、従来型携帯・スマホはテレビを大きく超える…メディア接触時間推移(最新)】でも解説しているが、携帯電話やパソコンの利用時間は圧倒的に若年層ほど長い。当然のことながら、その年齢階層における利用率も高いものと考えられる。今結果の値はそれを裏付けている。

パソコンの動向を見ると、未成年者はやや低めで、成人に達すると50代まではほぼ一定の値を維持し、それ以降は緩やかな下落を示す。子供のうちは学校や保護者のパソコンを利用させてもらっているケースが多く、大人になると自前で所有する以外に、就業先で利用するパターンが多くなる実情が想起される(質問票では「利用した機器の種類、公私の利用、利用場所を問わず、あらゆる場合の利用を含む」「図書館、インターネットカフェなどにあるパソコンなど、世帯以外が保有している機器からの利用を含む」とある)。定年に達する60歳以上で大きく減少していくのは、就業先がなくなるので、使う機会がなくなるためと思われる。

パソコン以外では携帯電話の利用率が圧倒的。そして携帯電話そのものの利用率と同じように、20-30代がピークとなり、それ以降は漸減していく。

パソコンと携帯電話の利用率を比較すると、すべての年齢階層で「携帯電話>パソコン」との結果が出ている。かつては若年層までが「携帯電話>パソコン」で、高齢層になると「携帯電話<パソコン」、つまり「インターネットの利用といえばパソコンでの利用がメイン」だったのだが、2017年分の調査結果で全年齢階層において「インターネットといえば携帯電話での利用がメイン」との結果となり、その状態は今回年分も合わせそれ以降継続している。「『インターネットへのアクセスは全年齢階層で、パソコンよりも携帯電話(多分にスマートフォン)を用いての人の方が多い』時代がやってくるのかもしれない」とは2016年分まで使っていた言い回しだが、今やそれが当たり前となっている。

冒頭でも触れたが、家庭用ゲーム機によるインターネットへのアクセスは、未成年者を中心に高い値を示している。特に6-12歳の年齢階層では5割を超えている。そしてタブレット型端末も同階層で50.5%と、年齢階層別では最高値を示している。これは今件が所有率ではなくインターネットへのアクセス用の機器としての利用率であることから、保護者などが玩具として、あるいは学習機器として、自前の端末や世帯全体としての端末を子供に貸し与えているパターンが多分に該当するものと考えられる。タブレット型端末の利用実情を示すものとして、大いに注目したい。

携帯電話と比べれば少ない値だがタブレット型端末や家庭用ゲーム機の動向を整理する形でまとめると次の通りとなる。

・家庭用ゲーム機経由は6-12歳がピークで、それ以上の年齢では漸減。30代までは3割以上を維持するが、使っている層は実質的に40代まで。見方を変えると、そのぐらいの年齢までには「家庭用ゲーム機でもオンラインゲームがそれなりに浸透している」。

・タブレット型端末の最大値は6-12歳。年齢が上になるに連れて多少減るが、30代で再び大きめの値を示し、再度減少していく。しかし70代まで利用率は1割を超えており、家庭用ゲーム機と比べると幅広い層に受け入れられている。中年層は新アイテム好きな人達による先行購入によるもの、6-12歳層は子供用のデジタル玩具としてスマートフォンではなく、タブレット型端末を与える事例が急増していることの表れといえる(この層では自ら同機種を購入することは考えにくい)。さらにタブレット型端末が個人ベースでの所有ではなく、世帯単位の所有物として調達されているケースが多々あることを示唆する動きでもある。

スマートフォンの若年層から中年層への加速度的な浸透ぶり、タブレット型端末の高齢層までをも含めた確かな普及率のかさ上げ、そしてタブレット型端末と家庭用ゲーム機の若年層の利用拡大化など、インターネット利用端末におけるトレンドを、今件結果からかいま見ることができよう。


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