高年収・高学歴・シニア層に好まれるiPhone…米成人のOS別スマートフォン保有状況
2013/06/18 07:55
2013年6月5日に米大手の調査機関【Pew Research Center】が同社公式サイトで公開した報告書【Smartphone Ownership 2013】では、同国内の携帯電話(一般携帯電話(フィーチャーフォン)とスマートフォン双方)、特にスマートフォンにおける普及動向が記述されている。今回はその中から、スマートフォンの保有状況について、OS別、特にiPhoneとAndroidにスポットライトをあて、見ていくことにする。
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伸びるiPhoneとAndroid
今調査の調査様式は先行記事【米成人の56%はスマートフォン持ち、2年前から1.6倍】にある通り。詳しくはそちらを参考のこと。
その記事で記した通り、アメリカでは急速にスマートフォンの普及率が高まっており、直近の2013年5月では成人のうち過半数が保有しているとの結果が出ている。
↑ 携帯電話保有性向(米、18歳以上対象)(再録)
今回はこの「スマートフォン持ち」において、どのようなOSの機種を持っているかにスポットライトをあてている。まずは上記グラフの各回答時期における、主要OS毎の機種区分による保有性向。ただし「全体」ではなく、「携帯電話保有者」となっている点に注意。
↑ 携帯電話保有者におけるスマートフォンの具体的種類動向(米、18歳以上)
例えば2011年5月の場合、10+15+10+2=37%なので、残りの63%は一般携帯電話保有者という計算になる。2012年2月の時点ではまだかろうじて一般携帯電話の方が多いが、2013年5月では逆転。携帯電話保有者の中で、スマートフォン持ちの方が多い結果となっている。
個別OS別の動向としては、iPhoneが確実にシェアを広げる中、Android系も拡大を続けている。この2つのOS搭載のスマートフォンが、全体を押し上げている形になる。一方、Blackberryはこの2年間でほぼ半減、Windowsも(誤差はあるが)半減している。前者2つが後者2つのシェアを食いながら、さらに一般携帯電話の利用者にも浸透、新規利用者のハートもつかんでいる感はある。
ちなみに2011年5月時点で、iPhoneとAndroidがスマートフォン全体に占めた割合は約68%。それが2013年5月では91%にまで拡大している。いわゆる寡占化が進んでいる次第である。
安定・安心のブランド力か、多様性・安価か
次のグラフは主要OSとしてiPhone・Androidを抽出し、それぞれの機種の保有性向を見たもの。一つ上のグラフと一致する部分があることからも分かる通り、全体ではなく携帯電話保有者に対する比率である。
↑ 携帯電話保有者におけるiPhone/Android保有性向(米、18歳以上、2013年5月)
特徴を箇条書きに記すと次の通り。
・世代別では若年層ほどAndroid多し、高齢層ではiPhone多し。
・学歴別では高学歴ほどiPhoneが多くなる。
・世帯年収別では高年収ほどiPhoneが多くなる。
それぞれの状況の理由を考えると、iPhoneの高い技術力と安心性、さらにはスマートフォン業界では先陣を切って業界をけん引してきた先行者としての認知度、それらから構築されるブランド力が挙げられる。女性にiPhoneの受けが良いのも、高齢層や高年収・高学歴の層に保有者が多いのも納得がいく。
一方Android端末は多種多様なものがあるが、何しろ価格が安いのがメリット。そのおかげで購入ハードルがiPhone系よりもはるかに低い。それゆえに若年層や低年収世帯に受けが良いのも納得がいく(学歴に関しては他の調査同様、学歴と世帯年収が多分に比例関係にあることに由来する)。
今後さらにスマートフォンが普及していくにつれ、どの属性で、どちらの機種が伸びを見せるか。非常に気になるところではある。
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