若年層は8割前後まで…米成人のスマートフォン所有率を詳しく見ていく
2013/06/13 08:45
米大手調査機関として知られている【Pew Research Center】が2013年6月5日に同社公式サイトにおいて発表した、米国内でのスマートフォンの所有性向に関するレポート【Smartphone Ownership 2013】によると、調査対象の米成人のうち56%はスマートフォンを所有していることが分かった。さらに30代前半までの若年層では8割前後という高い所有率を示している。今回は性別、世代別、学歴別などの詳しい属性別における、同国のスマートフォンの心頭具合を見ていくことにする。
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今調査は2013年4月17日から5月19日に渡って、RDD方式で選ばれたアメリカ合衆国内に住む2252人の18歳以上の男女に対し、電話を用いたインタビュー形式で行われている。固定電話で回答した人は1125人、携帯電話は1127人(うち固定電話非保有者は571人)。携帯電話(スマートフォンと一般携帯電話(フィーチャーフォン)双方を意味する)所有者率は全体の91%。言語は英語とスペイン語が用いられた。また、インターネットユーザーは1895人(84%)。各取得データは国勢調査の結果に基づき、ウェイトバックが行われている。
以前先行する記事で解説した通り、今調査対象母集団では56%がスマートフォンを所有している。
↑ 携帯電話保有性向(米、18歳以上対象)(再録)
この「全体で56%」という値に関して、もう少し詳しく見たのが次のグラフ。性別・世代別・学歴別・世帯年収別・居住地域別に区分してある(原文では当人人種別の区分もあったが、これは省略する)。
↑ スマートフォン保有性向(米、2013年5月)
まず目を見張る値を示しているのは、若年層の高保有率。18-24歳で79%、25-34歳で81%となっている。ほぼ5人に4人までもがスマートフォン持ち(繰り返すが「携帯電話保有者中」ではなく「該当属性中」。つまり18-24歳全員のうち79%がスマートフォンを持っていることになる)。以前【スマートフォンの伸び率が…小中高校生のパソコン使用率や携帯保有率の変化】で、日本の高校生の1/3強がスマートフォン持ちという話があり驚かされたが、それすらかすんでしまう値である。
ただし歳を経るに連れて所有率が下がるのは万国共通。55-64歳になると4割弱、それ以上では18%にまで落ち込む。見方を変えると「65歳以上でも2割近くはスマートフォンを有する」ことになり、これはこれで高い値と評せる。
本人の学歴と世帯収入は、多くのデジタル系アイテムに関する調査同様、ほぼ正比例の関係にある。高学歴・高年収ほど保有率が高い。これは学歴が高いほど、多くの年収を望めるからに他ならない。もっとも高卒未満でも1/3を超える人がスマートフォン所有者であり、アメリカでの浸透ぶりを再確認させられる。
地域別では都市部・近郊はほとんど変わらず、地方がやや低め。需要もあるが、むしろ年収と浅からぬ関係があり、それが地方での低さにつながっていると見るべきだろう。
若年層にスマートフォン保有率がきわめて高い傾向があるのは、その層が新しいもの好きであるのに加え、最初に保有する携帯電話がスマートフォンという事情もある。日本の高校生で急速に保有率が上昇したのも、似たような理由によるもの。
今後一連の調査でも若年層を中心に、さらに値は上昇していくに違いない。
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