大胆なのか不用心か…米未成年者のソーシャルメディア利用とプライバシー設定
2013/06/04 07:55
2013年5月27日に公開した記事【大人以上にソーシャルメディアに溺れる米子供達】でも解説しているが、米国内の調査機関大手の【Pew Research Center】は2013年5月21日に、同国内の未成年者によるソーシャルメディア利用状況を記した報告書【Teens, Social Media, and Privacy】を同公式サイト上で公開している。今回はその内容から、主にFacebookを利用している米未成年者におけるプライバシーへの取り組み、姿勢を見ていくことにする。
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調査要項の詳細、言葉の定義などは先行の記事「大人以上にソーシャルメディアに溺れる米子供達」で解説済み。そちらで確認してほしい。なお今調査対象母集団のうち73%(588人)はFacebookを、22%(180人)はツイッターを利用している。
先の【あまりにも無防備すぎる米未成年者のソーシャルメディア利用事情】でも懸念している通り、米未成年者におけるソーシャルメディア利用者では、自らの個人情報への姿勢がかなりオープン。そのオープンさの理由の一つに「ソーシャルメディアを、目の前にいる本人と語り合うように利用しているのではないか」とする推論を挙げた。そして実際、Facebookでフレンド登録している人において、学校の友達が居る人は98%に達していた。
↑ ソーシャルメディアに掲載している項目(ソーシャルメディア利用者限定、複数回答、米2012年)(以前の記事から再録)
↑ Facebookの「フレンド」にどのような属性の人がいるか(米2012年、12-17歳、Facebook利用者限定)(再録)
今回はFacebookにおけるプライバシー設定のチェック度にスポットライトをあてる。具体的には「Facebook上のプライバシーの設定を最後にチェックしたのはいつか」という質問。
Facebookに限らないが、ソーシャルメディアでは多様な理由からプライバシー周りの設定・機能に変更がなされ、その変更で利用者が思いもよらなかった情報が第三者に露出される場合がある。時には事前告知もあるが、多くはコアなユーザーの啓蒙・公知で初めて知る、というパターン。銀行口座のように、定期的にチェックを入れるのが望ましいのだが……
↑ Facebook上のプライバシー設定を最後にチェックしたのは?(米2012年、12-17歳、Facebook利用者限定)
定期的に確認をしていそうなのは30+31=61%。最良の回答といえる「この一週間以内」は30%(年一の頻度で、たまたま回答時点で確認した可能性もゼロではないが)。年ベースでのチェックをする人が2割近く、プロフィールを創った時にしたきり、さらには一度もしたことがない、そして知らない・覚えていないという人も合わせて、非常に不安な状態の人も2割強に達している。
また、以前「あまりにも無防備すぎる米未成年者の-」でも触れているが、Facebook利用者では「友達までしか情報を公開していない」という人は6割に留まっている。
↑ Facebook利用者における情報公開領域(米2012年、12-17歳、Facebook利用者限定)(再録)
細部までは公開されていないが、全般的には女子の方が、男子よりも情報を公開しない傾向があるとの結果も出ている。例えば「友達(フレンド)までのみ情報公開」とする人は男子で5割なのに対し、女子は7割に達している。全面公開は女子で8%、男子で20%。リスクの上で女子の方がより警戒しているものと考えられる。
また「友達」よりさらに制限を課した上で、狭い範囲にのみプロフィールの情報を公開する機能もFacebookにはあるが、これを利用しているのはごく少数(18%)。ほとんどの利用者(81%)は「友達」すべてが同じプロフィールを見ていると説明している。機能を使いこなせていないのか、必要性が無いのかまでは不明だが、少なくとも未成年者では積極的には利用されていないようだ。
ちなみにFacebookでは無くツイッターで、自分のツイートを公開しているか否かを聞いたところ、2/3近くが公開、1/4近くが非公開という結果が出ている。
↑ ツイートは公開しているか(米2012年、12-17歳、ツイッター利用者限定)
Facebookと比べると随分とオープンな感はある。やはりFacebookが原則実名制なのに対し、ツイッターは仮名でも利用が出来るので、プライバシーを守りやすいと考えられているのだろう。
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