大人以上にソーシャルメディアに溺れる米子供達
2013/05/27 15:45
アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2013年5月21日、同国内の未成年者におけるソーシャルメディアの利用状況を調べた報告書【Teens, Social Media, and Privacy】を発表した。それによると同国内の子供達は概して大人よりもソーシャルメディアを多用していることが分かった。例えばツイッターの場合、(インターネット利用者のうち)大人が16%なのに対し子供は24%が利用している。また子供の中でも男子より女子の方が高い頻度で利用する傾向が見られる。
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今調査は2012年7月26日から9月30日にかけて、アメリカ合衆国内に住む12歳から17歳の男女自身とその両親に対して、英語及びスペイン語による電話インタビュー形式で行われたもので、有効回答数は802人(インターネット利用者は778人=97%)。電話番号はRDD方式によって選ばれ、国勢調査などを基にしたウェイトバックが実施されている。なお一連の報告書では「ソーシャルメディア」=「ツイッター(などのミニブログ)」+「SNS(Facebookなど)」と定義されている。
頭打ちのSNS、急上昇のツイッター
まずは経年による子供と大人のソーシャルメディアの利用性向。インターネット利用者に限られるが、SNS、アメリカでは実質的にFacebookと見なしても問題ない、の利用性向はうなぎ上り。2009年時点ですでに大人の約半数、子供の3/4が使っている計算になる。
↑ 子供・成人によるSNSやツイッターの利用性向(米、2006年-2012年)(インターネット利用者限定)
大人の方が常に低い値を示しているが、これは主に高齢者による。原文でも「大人の値が低いのは50歳以上のシニアが原因。50歳未満に限った大人では、子供とほとんど変わらない。2012年なら子供が81%なのに対し79%に達している」と説明している。
SNSの普及率そのものは昨今では頭打ちに成りつつある。特に2011年から2012年ではほとんど上昇していない。これに対し新興勢力的なサービス、ツイッターが大いに普及率を高めつつある。未利用者が多いのだから当然なのだが、今後も「ソーシャルメディアの伸び…ゆっくり」「ツイッターの伸び…急上昇」的なノリは続くはず。ただ、ツイッターそのものは日本での普及状況ほどアメリカでは受け入れられていない雰囲気もあり、このままの上昇率を維持するかどうかは、少々疑問も浮かんでくる。
男子より女子の方がヘビーユーザー
続いてソーシャルメディア利用者における利用・アクセス頻度。要はどれだけ病みつきかを示すもの。
↑ 子供のソーシャルメディア利用者におけるアクセス頻度(米2012年、12-17歳)
全体ではほぼ2/3が「毎日利用」。これが女子に限ると3/4に増加する。「週一未満」の割合は男女とも変わらないが、それなり以上に利用する割合のうち、「かかりっきり」な人の比率が女子の方が高い。女子の口コミ好きは万国共通のようだ。
他方、年齢階層別では12-13歳よりも14-17歳の方が利用頻度が高い。幼いころは不慣れな面もあるし、これは当然といえる。一方見方を変えると、12-13歳でもソーシャルメディアを使っているのなら、その半分は毎日一度以上は利用する、それなりに熱心な使い手であることになる。
いずれにせよ、多くの米若年層にとり、ソーシャルメディアは今や欠かせないインフラの立場にあることに違いはない。一方で詳しい説明は別の機会に譲るが、プライバシーの問題などの点で、「若さゆえの過ち」が目に余る状態になりつつある。そしてこれは日本でもさほど変わらないはず。早急な周辺環境の整備(教育や法令なども含めた)が求められよう。
■関連記事:
【米社会の子供達のネットとの付き合い方を箇条書きにしてみる】(2010年8月)
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