日経平均株価の上昇・下落率上位ランキング(2015年9月9日版)
2015/09/10 12:09
昨日、2015年9月9日付の「株式市場雑感」でも触れた通り、同日の東京株式市場は前日のアメリカ市場の堅調さ、ここ数日続いた軟調さで日経平均株価では3000円前後の値を下げてその反発の機運が高まっていた、某証券会社のセミナー向けに出した安倍首相のメッセージが証券関係者の間で話題に登った、レイバーデーが終わったことで海外勢が市場に本格的に加わり安値感のある状況に買い向かった、中国財政省による財政政策強化の声明発表、さらには自民党の総裁選絡みの政局不安定化懸念が無くなったのも好感されるなど、複数の要因が重なったことにより、大きく買いこまれ、出来高こそ27億9600万株(東証一部上場のみ)と幾分ふくらんだ程度だが、終値ベースの日経平均株価は前日比で1343円43銭高・プラス7.71%の値をつけ、上昇幅では歴代6位、上昇率では9位として記録される値となった。今回はこの値を反映させる形で、前回大きな下落を示した際の「2013年5月23日版」を更新する形で、日経平均株価の下落率上位と上昇率上位の図を再生成することにした。
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日本経済新聞社の公式サイトでは、日経平均プロフィルとして、各データを公開する【資料室】が用意されている。そこで確認すると、今回の上昇度合いは上昇率では2008年10月29日の金融危機、中でもリーマンショック後の大乱高下時代に記録したプラス7.74%に続く9位、上昇幅(額)ではバブル崩壊に伴う乱高下に記録した1990年8月15日における1439円59銭高に続く第11位として記録されることとなった。
↑ 2015年9月9日時点の、日経平均株価上昇率ランキング
↑ 2015年9月9日時点の、日経平均株価上昇幅ランキング
ここ一か月ほどの間は中国市場の動乱的下落に伴い世界市場そのものが軟調さを示し、それに連動する形で東京株式市場も弱含みの展開を続けていた。今回の上昇は冒頭で説明した通り、多種多様な上昇材料が重なる形で体現化されたことによるもので、特に何か一つの原因を元にした買い基調では無い(通常は一つか二つによるもの。もっとも下落時と異なり、上昇時の原因ははっきりしない場合が多い)。今上昇は、2007年夏以降の金融危機、特に2008年のリーマンショック後の乱高下を生き延びて現存している市場関係者や、今件の一覧のように過去の上昇率を知っている人には、過去の記憶が蘇ると共に「良くあること」と想起されたに違いない。
今回の上昇は、出来高をあまり伴わないことから、中期的な市場のけん引的エネルギーとなるものでは無く、偶発的なものとする見方が強い。実際、当日の株価動向を見ても、寄り付き以外はするすると上昇しており、スタンピード現象のようなつられ買い的動きが起きていたことが見て取れる。
↑ 2015年9月9日の日経平均株価動向(ヤフーファイナンスより抜粋)
続いてこれを、日経平均株価の記録が残っている1949年以降の株価推移のグラフと共に、「下落率・上昇率10位までを加味した図」として形成する。
↑ 日経平均株価推移(年次)と、日経平均株価下落率上位10位・上昇率10位まで(2015年は9月9日の終値)(クリックして拡大表示)
縮小したのでかなり読みにくくなっているが、これは原画を圧縮しただけなので、クリックして原画にて細部を確認してほしい。上記の通り下落の場合は大よそ原因が特定されるが、上昇の場合は原因が複数、あるいは把握しにくい場合が多いため、具体的原因は下落時のみ記載している。
このようにして見ると、今回の上昇が歴史に名を刻むものであるのと共に、今後容易に新しい「記録」に差し換えられうる可能性があることが分かる。
今回グラフ中に上昇率だけでなく下落率まで上位10位分を反映させたことで、多分に読みにくいものとなったことは否めない。特に金融危機ぼっ発の2007年以降、該当する日が集中しており、状況が把握しにくくなっている。次に今記事を更新する機会がある際には、上記のように双方をまとめたグラフの他に、上昇率と下落率をそれぞれ別にした形で併記を行うことを検討している。
できればその機会が上昇率の更新として到来することを願いたいものだ。
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【日経平均株価の上昇・下落率上位ランキング(2013年5月23日版)】(前回更新記事)
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