全体平均で4.9%、しかし男性60代は2倍以上の10.4%…年齢階層別・ラジオを聴く人の割合(2020年2月度版)(最新)
2020/03/20 05:15


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今調査の調査様式などは先行記事【首都圏のラジオ平均聴取率4.9%、高齢者は平日で9.0%(2020年2月度版)(最新)】を参照のこと。
その先行記事で記したが、調査対象となった期間で1度でもラジオを聴いたことがある人は54.0%。聴いた人における平均聴取時間は12.5時間/週(累積)となっている。そして平日・休日を合わせた全体的なラジオの平均聴取率は4.9%/日。「1週間に1度でも」なら5割台後半だが、1日単位で「聴いているか否か」を聞き、その平均を算出すると1割にも満たない。毎日必ずではなく、多分に「時々気分次第で」「必要な時」「特定番組限定」など、条件に従い聴いていることが分かる。
なお「週平均」「平日平均」とは少々誤解を生みうる表現だが、それぞれ「週全体における、1日単位での平均聴取率」「平日に限った上における、1日単位の平均聴取率」を意味する。例えば「1週間全体で1度でもラジオを聴いた人の割合」ではないことに注意。

↑ 首都圏ラジオ・全局個人聴取率(6-24時、年齢階層別)(2020年2月)(再録)
そして今回グラフ化で状況の精査を行うのは、男女に区分し、さらに年齢階層の区分を10歳単位と細かくした上での聴取率。男女別・年齢階層別の違いが非常によくわかる値が出ている。なお男女で縦軸の区切りはそろえてある。

↑ 首都圏ラジオ・全局個人聴取率(6-24時、男性、年齢階層別)(2020年2月)

↑ 首都圏ラジオ・全局個人聴取率(6-24時、女性、年齢階層別)(2020年2月)
まず気が付くのは、男女とも若年層(赤系統色)ほど聴取率は低く、高齢層(青系統色)ほど高い点。これは平日・休日変わるところが無い。一方、年齢階層別の差異では、男性は30代までは伸び率が低めて40代で大きく伸び、50代はさらにもう一段高い値を示す。女性は10代は低く20代でそれなりに大きく伸び、30代はむしろ20代より短くなり、40代以降はそれなりに伸びていく。

つまり男性は40代以降に自動車保有率が上昇するために、必然的にカーラジオを聴く機会が増え、聴取率も上がる。そして男女を問わず50代以降になると定年退職を迎える人や、子育てなどでの支出増に対応するためのパートやアルバイトを終える人の割合が増加し、就業時間に充てられていた平日の日中時間もプライベートに使えるため、ラジオを聴く人がさらに増えていく。
女性に限れば50-60代は配偶者の出勤の準備の必要がなくなり、家事の負担をしてもらう割合も増えるため、自分の注力も減らすことができる点もあるだろう。男性と比較した場合、女性では年が上になるに連れて生じる増加傾向が多少異なる。カーラジオによる影響はさほど大きなものではなく、単純に余暇時間の増加や趣味の変化に伴い年上となるに連れて値は増加するのだろう。男性配偶者のライフスタイルの変化が、女性にも影響を与えると考えれば道理は通る。
なお女性の30代で凹みが生じるのはあまり前例が無い状況で、珍しいものではある。単なるイレギュラーとしか説明ができない。あるいは20代がイレギュラーに伸びているのか。また男性の60代が50代よりも低い値を示す曜日が多々あるのも珍しい。50代の聴取率が異様に高いのか、60代でラジオ離れ的なものが起きているのか。
聴取率そのものは、女性よりも男性、そして若年層より高齢層の方が高い。各年齢階層の構成人数は中年層以上の方が多いことを考えれば、年齢階層間の「リスナー」数の差異は、さらに大きなものとなる。現在のラジオ番組の多くが、中年層以降を対象としている、中年層以降に聴き心地のよい話が多い状況も、合点がいく次第ではある。
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