首都圏のラジオ平均聴取率4.9%、高齢者は平日で9.0%(2020年2月度版)(最新)
2020/03/20 05:13


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全体では1日の聴取率は4.9%
今調査は専用の携帯型調査票を回答者に貸与して必要事項を逐次入力してもらい、調査終了後に回収して記入されたデータを読み取り精査する「携帯型調査票」、あるいはウェブ経由(パソコンあるいはスマートフォン)での回答によって行われたもの。2016年4月分から変更された調査方式で、それまで採用されていた方法「1週間分の調査票を一括して郵送・回収する「日記式郵送留置調査方式」」とはいくぶん異なるが、これはラジオがより多くの場面で聴取されることが多くなった状況に併せての変更。またこの変更に伴い、調査様式が変更された前後の間で一部差異が生じるリスクがある。他方、インターネット経由の回答は選択肢の一つとして用意されているが、それのみでは無いため、利用者性向で偏りが生じる可能性を考慮する必要は無い。なお有効回答数は直近分では2834人。
公開されたデータによると、調査対象の1週間で「1度でも」ラジオを聴いたことがある人は54.0%。聴いた人の平均聴取時間(1週間分の累積)は12.5時間となっている。
そこで具体的に日取りに関して「週全体」「平日」「土曜日」「日曜日」の区分別に、個人ベースでの聴取率(該当期間(今件では1日単位であり、「一週間のうちに一度でも」では無い)にラジオを聴いた人の割合。通常の据え置き型ラジオ以外に携帯型、カーラジオ、さらにはインターネット経由によるものも含む)を確認した結果が次のグラフ。
注意しなければならないのは「週平均」「平日平均」の読み方。それぞれ「月曜から日曜まで、週全体における、1日単位での平均聴取率」「平日に限った上での、1日単位の平均聴取率」。上記でも触れているが、「1週間全体において、1度でもラジオを聴いた人の割合」では無い。

↑ 首都圏ラジオ・全局個人聴取率(6-24時、年齢階層別)(2020年2月)
平日・休日を合わせた全体としてのラジオ平均聴取率は4.9%/日。「1週間に1度でも」なら54.0%だが、毎日聴いているか否かとなると、1割にも満たない。「時間が空いた時に」「交通情報など必要な時」「好きな番組が放送される曜日限定」など、ラジオ視聴者の多くは条件を決めて聴いている聴取実態が分かる。
曜日別では全体値においては土曜日や日曜日よりも平日の方が高い値。これは今件調査の「ラジオ聴取」が、自宅だけでなく自宅外(出先や仕事場など)、さらには自動車のラジオ(カーラジオ)によるものも含めているため。他方19歳以下の層は、自発的に自動車に乗る機会があまりないことから、学業などで忙しくはない土曜日や日曜日の方が聴取率が高い結果が出ている。
また年齢階層別の聴取率では、圧倒的に高齢者の方が高い。高齢者は平日・休日を問わず、7-9%台がラジオを聴いている計算になる。逆に未成年者における聴取率は低い(車載ラジオ関連が一因)。
男性の方がよくラジオを聴く傾向
男女別では平日・休日を問わず男性の方が聴取率は高い。

↑ 首都圏ラジオ・全局個人聴取率(6-24時、男女別)(2020年2月)
ラジオが聴取される場面をイメージすると、女性は日中の家事の中で聴いている、いわゆる「ながら聴取」をしていそうなものだが、今調査の限りでは男性の方が聴取率は高い。多分に車載ラジオが値を押し上げている。別の機会に詳しく解説するが、「車の中」で限ると週平均聴取率は、男性が2.0%なのに対し女性は0.8%でしかない。また出勤する・しないも男女差に多分に影響している(出勤者はバスや電車の中で携帯ラジオを聴取する機会が生じる)。
広告費動向で見ると、4マスの中ではラジオが軟調さを見せている(最近では紙媒体がさらなる下落の加速の中にあるが)。聴取率を伸ばして状況を打開したいところだが、今データを見る限り、他の4マス同様、高齢者の利用者が多い。【ラジオはテレビよりインターネットに近いのかもしれない】で解説したように、インターネットなど新メディアとの相性がよいことを考えれば、切り口次第で若年層の聴取率アップも狙えるのだが、今はまだそこまで手が回らないようだ。
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