無料、それとも有料? 小中高校生のスマートフォンでのアプリ利用実態を探る(2014年)(最新)
2014/04/13 10:00
スマートフォン最大の魅力は、その本体機能を縦横無尽に引き出すアプリケーションにある。アプリ次第でスマートフォンは投稿機能付き多機能カメラにも、最新のゲームで遊べるゲームマシンにも、ニュースを受信できるニュース端末にも、地図と連動した観光案内機にもなる。それらスマホ用のアプリについて、子供達は有料のアプリを購入しているのか、それとも無料のアプリで満足しているのか、内閣府が2014年3月31日付で発表した【2013年度版 青少年のインターネット利用環境実態調査】の報告書を基に、現状を確認していくことにする。
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子供のスマホアプリはほとんど無料で
先行記事で解説した通り、今調査対象母集団では小学生で6.0%、中学生で25.7%、高校生では81.1%がスマートフォンを有している。
↑ スマートフォン保有率(自分専用・家族共用保有者の双方合わせて)(2013年)(再録)
それではスマートフォン利用者において、ダウンロードによるアプリの利用性向はどのような状況なのだろうか。無料のアプリだけで満足しているのか、それとも対価を支払って有料のアプリを購入しているのか。無料か、有料かで区分して回答してもらった結果が次のグラフ。
↑ アプリをダウンロードする際は有料・無料どちらを入手しているか(スマートフォン利用者限定、2013年、男女別・学校種類別)
全体では89.2%が「無料アプリのみ」、有料アプリの利用者は無料との併用を合わせても2.2%しかいない。またアプリそのものをダウンロードしない人も7.0%いる。これは最初からスマートフォンに用意してあるアプリのみを利用、そしてメールや音声による通話、ウェブブラウの閲覧に限定し、ダウンロードは行わない利用スタイルを貫いているものと考えられる。
高校生になるとやや有料アプリのみの利用者が増えるが、有料アプリの利用者そのものは中学生と同じ数%に過ぎない。高校生ではむしろ中学生と比べ、アプリのダウンロード者率、そして「無料アプリのみ」の利用者率が増加する。具体的な本数までは尋ねていないが、中高校生の財力から判断すると、恐らくは有料アプリの利用にしてもごく少数、お気に入りのゲームなどに限定したものだろう。いずれにせよ、子供のスマートフォン利用においては、アプリのダウンロードはほとんどが無料アプリによるものとなる。
アプリのダウンロード、提供元は確認してる……?
それではスマートフォン保有者でアプリをダウンロードする子供達は、そのアプリの提供元について確認をしているだろうか。「有名どころは全部安全」「知らないところのアプリは全部危険」ではないものの、提供元の確認、さらにはその提供元の安全性を調べることは、セキュリティ上欠かせない行動である、のだが……
↑ アプリケーションソフト提供元の確認(スマートフォン利用者でアプリ利用者限定、2013年、男女別・学校種類別)
小学生は回答者がごく少数なので精査は省くとして、中学生は32.1%、高校生では24.1%しか「必ず確認」の回答者がいない。「どちらかというと確認」まで含めても中学生・高校生共に約5割でしかない。中には「友人から勧められた(使っている)アプリなのだから、安全に決まっている。わざわざ確認するのも面倒くさいし、友人を疑っているかと思われる」といった状況のもあるだろうが、「確認しない」が2割前後もいるのも合わせ、心配させられる状況に違いない。
スマートフォンの界隈ではパソコン同様、提供されるアプリのすべてに信頼がおけるわけではない。知名度の高い、信頼のおけそうな企業提供のアプリでも、利用側の勘違いや操作ミス、あるいはアプリにおける巧みな誘導などで多額の課金を科せられるのをはじめとした、各種トラブルに巻き込まれるリスクがある。保護者には子供に対し、十分な教育と啓蒙が求められる。
また作り手・提供側としては、事実上高校生までを対象としたアプリの場合、有料アプリは利用される可能性はほとんど無いという判断が下せる結果ではある。直接課金・購入では無く、何らかの形で資金を回収できるビジネスモデルの構築が必要だろう。
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