女子高生は1日2時間半…小中高校生の携帯経由でのネット利用時間(2014年)(最新)

2014/04/08 15:30

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気軽にどこへでも持ち運びができ、すぐに利用が可能で、多種多様なサービスを利用できる。子供にとってまさに魔法の杖的な存在にすら見えてくるのが携帯電話(一般携帯電話とスマートフォンの双方)。特にスマートフォンはパソコンに近い機能を実装していることもあり、好奇心旺盛な子供達は無我夢中で利用してしまうもの。その熱中ぶりに、日常生活に対する影響が懸念されるほどである。今回は内閣府が2014年3月31日付で発表した【2013年度版 青少年のインターネット利用環境実態調査】の報告書データから、その熱中利用ぶりを確認する意味も合わせ、「携帯電話経由でインターネットにアクセスしている小中高校生が、どれくらいの時間を費やしているか」について確認していくことにする。



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1日4時間以上が12.1%…小中高生の携帯電話利用時間実態


今調査対象母集団(小中高校生)の携帯電話の所有=使用率についてだが、直近の2013年では6割近くが確認されている。「家族共用で有り」も含め、ここ数年では少しづつだが増加する動き。
↑ 携帯電話・PHSを持っているか(小学校-高校)(-2013年)(再録)
↑ 携帯電話・PHSを持っているか(小学校-高校)(-2013年)(再録)

そこでこれら携帯電話を保有し、インターネットを利用している人(メールやウェブサイトでの調べものをはじめ、動画などの視聴、ゲーム、ソーシャルメディアの利用、ファイルのダウンロード、買い物なども利用に含まれる)に対し、どれくらいの時間を費やしているのかを聞いた結果が次のグラフ。「メールの使用」においてはメールを見たり書き込む時間を指し、メールの着信を待っている時間は含まれない。

↑ 携帯電話でのインターネット利用時間(メール利用・サイト閲覧も含む)(自分専用・家族共用保有者でインターネット利用者限定)(平日(土日を除く)平均)(-2013年)
↑ 携帯電話でのインターネット利用時間(メール利用・サイト閲覧も含む)(自分専用・家族共用保有者でインターネット利用者限定)(平日(土日を除く)平均)(-2013年)

青系統の「30分未満」「30分-1時間未満」の漸減、赤系統の中長時間回答層の漸増からも分かるように、利用時間は少しずつではあるものの、伸びる傾向にある。特に2013年では4時間以上の利用者が1割を超え12.1%に登っている。

直近の2013年分について、男女別・学校別に区分して再集計したのが次のグラフ。学年が低いほど「インターネットを使った」実感が薄く、「分からない」の回答率が高い状況が確認できる。小学生、そして中学生でも一部は防犯アイテムとして携帯電話を持たされ、メールのやりとりも安全確認用として使われることが多々ある。そのような利用状況を想定すると、自分の意志で積極的に使っていない以上、利用時間まで覚えていないのも仕方なかろう。

↑ 携帯電話でのインターネット利用時間(メール利用・サイト閲覧も含む)(学校・性別)(2013年)(平日(土日を除く)平均)(自分専用・家族共用保有者でインターネット利用者限定)
↑ 携帯電話でのインターネット利用時間(メール利用・サイト閲覧も含む)(学校・性別)(2013年)(平日(土日を除く)平均)(自分専用・家族共用保有者でインターネット利用者限定)

全般的には学校が上になるほど、長く利用しているのが把握できる。小学生は特に利用時間が短時間だが、これは上記にある通り「異常ありませんの報告」のために短時間での利用に限られていることが考えられる。さらに小学生では「使っていない」が少なからず見受けられるが、これは「平日には」使っておらず、休日に保護者の監視下での利用が想定される。

平均利用時間を算出してみる


高校生では男子よりも女子の方が随分と利用時間が長いように見える。そこで、その違いをより分かりやすくするため、各区分の中央値を用いて概算平均値を算出した結果が次のグラフ。やはり高校生では男子より女子の方が、随分と長い時間となっている。

↑ 携帯電話でのインターネット利用時間(メール利用・サイト閲覧も含む)(概算平均、分)(2013年)(平日(土日を除く)平均)(自分専用・家族共用保有者でインターネット利用者限定)
↑ 携帯電話でのインターネット利用時間(メール利用・サイト閲覧も含む)(概算平均、分)(2013年)(平日(土日を除く)平均)(自分専用・家族共用保有者でインターネット利用者限定)

高校生になると、携帯電話でインターネットをしている男子は平均2時間、女子は2時間半。ゲームやSNS、チャットなどでのコミュニケーションもあるが、主にメールを読み書きしたりサイト閲覧(単なる閲覧以外に検索による調べものも含む)をしていることになる。そして男子は15.8%、女子にいたっては19.9%が、平日で1日4時間以上。登下校の過程やテレビを見ながらなど、いわゆる「ながら利用」も多分にあるとはいえ、随分と長いものだと感心させられる。

無論これら長時間利用は、より高機能なスマートフォンの利用環境を有している子供の方が顕著である。

↑ 携帯電話でのインターネット利用時間(メール利用・サイト閲覧も含む)(機種別)(2013年)(平日(土日を除く)平均)(自分専用・家族共用保有者でインターネット利用者限定)
↑ 携帯電話でのインターネット利用時間(メール利用・サイト閲覧も含む)(機種別)(2013年)(平日(土日を除く)平均)(自分専用・家族共用保有者でインターネット利用者限定)

↑ 携帯電話でのインターネット利用時間(メール利用・サイト閲覧も含む)(概算平均、分)(2013年)(機種別)(平日(土日を除く)平均)(自分専用・家族共用保有者でインターネット利用者限定)
↑ 携帯電話でのインターネット利用時間(メール利用・サイト閲覧も含む)(概算平均、分)(2013年)(機種別)(平日(土日を除く)平均)(自分専用・家族共用保有者でインターネット利用者限定)

一般携帯電話の平均利用時間が短く、また「使っていない」「30分未満」の回答率が高いのは、上記の通り多分に連絡用のみの利用が占めているのが一因だが、それを別にしても機種間の利用時間分布の違いを改めて確認できる結果となっている。



【若年層の28%は「自分はネット依存」と考えている】【携帯SNSの依存自認者、2/3は「睡眠時間を犠牲にしている」(2011年版情報通信白書より)】をはじめ複数の調査結果で、携帯電話を介して提供されるコンテンツサービスに夢中となり、他の日常生活に支障が出る事例が、老若男女を問わず報告されている。ましてや子供は経験や分別の点で大人と比べて劣る場合が多く、夢中になった場合に歯止めが利かなくなることは容易に想像がつく。

したがって子供の携帯電話の利用に関しては、保護者をはじめ周囲の人による注意啓蒙が必要となる。むしろ保護者自身が率先して実例を挙げる形で、互いに注意し合うくらいの心構えの方が、子供の理解度、納得度も高まるに違いない。


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