スマホで無く一般携帯を使い続ける理由は「支払金額」「パソコンや今の携帯で十分」

2013/05/07 14:45

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一般携帯電話アイ・エム・ジェイは2013年4月25日、一般携帯電話(フィーチャーフォン)に関する利用実態調査結果を発表した。それによると現在一般携帯電話を保有する人から成る調査対象母集団のうち、今後も一般携帯を利用し続ける意向を持つ人においては、スマートフォンに乗り換えるのではなく一般携帯を継続利用する理由として、「月の支払総額が上がるかもしれない」が最上位についていることが分かった。6割の人が懸念を示している。次いで「パソコンで十分」「今の携帯電話で十分」が続いている(【発表リリース】)。



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今調査は2013年3月26日から28日にかけてインターネット経由で、15-59歳の男女に対して行われたもので、一般携帯電話(フィーチャーフォン)を保有する人が回答前提条件。また、予備調査の時点では総務省全国男女推計人口の2013年2月分を元にインターネット利用率を年代別に算出し、この比率に基づいて割付を行い実施している。さらに調査対象母集団は個々の一般携帯電話の保有状況・今後の意向を元に、

・継続層…一般携帯電話保有者のうち、特別な事情が無い限り買い替えない、機種変更対象は一般携帯と回答した人(962人)。
・卒業層…一般携帯電話保有者のうち、今後スマートフォンに機種変更する意思があると回答した人。いわゆるスマートフォン予備軍(597人)。

と2つの属性に区分している。今回はこのうち「継続層」、つまり今後も一般携帯電話を使用し続けるつもりの人にいくつかの質問をしている。

まずは「なぜスマートフォンに乗り換えず、一般携帯電話を使い続けるつもりなのか」。世間一般的には今や携帯電話といえばスマートフォンで、新商品のトレンドも完全にスマートフォンに移行している。むしろ新機種のラインアップに一般携帯を探す方が難儀する始末。そのような状況で、使い続ける理由にはどのようなものがあるのだろう。これは「比較対象としてのスマートフォンへの評価」「スマートフォンに乗り換えた時に発生しうる事象」としての視点による回答。

↑ 今後も一般携帯を使い続ける理由(該当者限定、複数回答)
↑ 今後も一般携帯を使い続ける理由(該当者限定、複数回答)

トップは月額支払総額が上がる(かもしれない)との懸念。維持費の高騰を嫌っている次第。無論これには単純な金額の上昇以外に、その上昇分を妥協できる利点をスマートフォンに見いだせないことも含まれる。なぜならその利点が十分以上のものであれば、支払い負担の多少の増加は我慢できるからだ。第4位の「端末料金の高さ」はランニングコストでは無く初期費用の点だが、金銭上のハードルという点では変わらない。

第2位は「パソコンで十分」。スマートフォンの高性能性にほれ込む人は多いが、そのような高機能をわざわざスマートフォンで手掛ける必要は無いとするもの。機動性の高さへの需要が無い人なら、十分考えられる。第3位の「必要な機能は今の携帯で十分」も似たようなもので、パソコンのような操作をモバイルでは求めていないことになる。

また以前【タッチパネル製品保有の世帯は8割強、携帯ゲーム機5割・カーナビ1/3】でも触れたが、特に高齢者に多いタッチパネル周りでの入力のしにくさに腰が引ける人も少なくない。

視点を変え、スマートフォンへの買い替えをしない理由について、今の一般携帯で満足している点を挙げてもらうことで説明したのが次のグラフ。懸念事項のトップでもあった料金問題がこちらでもトップ。唯一過半数に達していることから、一般携帯とスマートフォンとの間にそびえたつ最大のハードルは、維持費にあると見て良い。

↑ 今の一般携帯で満足している点(該当者限定、複数回答)
↑ 今の一般携帯で満足している点(該当者限定、複数回答)

また「2つ折りの形状」「ボタンがあり押しやすい」「必要最小限の機能」「片手で操作可能」など、一般携帯ならでは、スマートフォンでは実現そのものが難しい・不可能な点が多く、スマートフォンが現在利用している一般携帯の上位互換機・代替機足りえない状況にあるのが分かる。いわば「自分にとっては乗り換えても便利さが損なわれ、むしろ不便さを覚える」のであり、さらにそこにコスト高が加われば、今の一般携帯の利用を継続するのも当然の話となる。



似たような設問は以前別調査機関の結果による記事【なぜスマートフォンを使わない? 理由トップは「今の携帯で十分」】でも解説したが、大意としては変わるところが無い。携帯電話はあくまでも道具なのだから、道具として使えていれば問題は無く、わざわざ使いにくい、便宜性の下がったものに買い替える必要性は無いことになる。

使いこなせれば便利には違いないが、携帯電話の利用者すべてが、全機能を使いこなしているわけではない。必要な機能は人それぞれ、その需要にあった「道具」を選ぶべき、という次第である。



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