持ち家率漸減中…米成人の住宅状況を探る
2013/05/07 09:45
アメリカの調査機関【ギャラップ社】は2013年4月19日、アメリカにおける住宅取得意向に関する調査結果を発表した。それによると調査対象母集団においては62%が住宅を所有する一方、34%が賃貸住宅で生活していることが分かった。同様の条件で行われた過去の調査データを見ると、持ち家率は2005年-2007年をピークに漸減し、賃貸住宅利用者が増加しているのが確認できる(【発表リリース:American Dream of Owning Home Lives On, Even for Young】)。
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今調査は2013年4月4日-14日にかけてアメリカ国内に住む18歳以上の成人に対し乱数で選択された電話番号に対する電話インタビュー形式(英語とスペイン語)で行われたもので、有効回答数は2017人。国勢調査などの統計データに基づいたウェイトバックが行われている。
先日【米成人の過半数はマイホーム持ち、30歳も7割近くは「将来家を買いたい」と希望】でも解説したように、今調査対象母集団では過半数が住宅所有者となっている。
↑ 現在の住宅事情(米、2013年4月4-14日)(再録)
次のグラフはこの住宅事情につき、区切りを変え、経年変化を眺めたものである。直近の2013年4月では62%が住宅所有者、34%が賃貸住宅在住者、3%が親と同居という結果が出ている。
↑ 居住住宅状況(米)
親と同居・その他・無回答の回答率は経年でほとんど変わりがない。そしてもっとも古い2001年4月以降少しずつ持家率は上昇していたものの、2005年-2007年がピークとなり、2008年以降は少しずつだが確実に減少していく。代わりに増加するのが賃貸住宅利用者。
2007年-2008年といえば、「サブプライムローン問題」に端を発する金融危機の勃発の年でもある。タイミング的にもこれを機に住宅を手放す人が増え、賃貸住宅住まいを余儀なくされた人が増えたと考えれば、道理は通る。リリースでも「住宅ローン周りや経済危機により締め出しを受けたのでは」との説明をしているが、最大で10%ポイント以上もの差が出ている状況は、それを肯定せざるを得ない。
今後アメリカの景気が回復すれば、再び住宅事情は好転し、持ち家率も高まるだろうか。最初のグラフにある通り、非住宅所有者の7割近くが10年以内に住宅を購入したいと考えていることから、景気回復が前提となるものの、少しずつ値を上げていくに違いない。
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