米成人の過半数はマイホーム持ち、30歳も7割近くは「将来家を買いたい」と希望
2013/05/05 20:00
アメリカの調査機関【ギャラップ社】は2013年4月19日、アメリカにおける住宅取得意向に関する調査結果を発表した。それによると調査対象母集団においては過半数の人が現在住宅を所有しており、今後もその家に住み続けるつもりであることが分かった。一方1/4の人は住宅を持っていないが、この10年内に購入を検討していると答えている。若年層ほど住宅非保有で購入検討者が多く、30歳までに限れば7割近くの人が購入を希望している。一国一城の主への想いは、日本だけに限らないようだ(【発表リリース:American Dream of Owning Home Lives On, Even for Young】)。
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今調査は2013年4月4日-14日にかけてアメリカ国内に住む18歳以上の成人に対し乱数で選択された電話番号に対する電話インタビュー形式(英語とスペイン語)で行われたもので、有効回答数は2017人。国勢調査などの統計データに基づいたウェイトバックが行われている。
2007年夏以降市場を大きく混乱させた「サブプライムーロン」にもあるように、日本同様アメリカでも住宅所有意欲は強い。同国では景気の回復感が見られるようになっているが、その表れの一つとして住宅価格の底打ち感がある。人々の住宅取得意欲の持ち直しも一因だが、それでは現在における住宅周りの意識はどのようなものだろうか……というのが今回の調査の意図のようだ。
まずは現在の回答者の住宅事情。持家に住んでいる人が6割近くに達している。
↑ 現在の住宅事情(米、2013年4月4-14日)
しかも大部分は今住んでいる住宅にずっと住み続けるつもりで、10年以内に売却し、賃貸住宅への引っ越しを予定している人は3%に留まっている。
また現在非住宅所有者(賃貸や実家暮らし)で、10年以内に購入したいと考えている人は25%。ずっと賃貸住宅生活を続ける予定の11%と比べて倍以上に達している。
これを回答者の世代別に見ると、当然ながら若年層の方が持家居住者が少ない。資産を貯める期間が短ければ、住宅を購入する余裕があまりないのも当然の話。
↑ 現在の住宅事情(米、2013年4月4-14日)(回答者世代別)
若年層の住宅取得意欲は旺盛で、30歳未満の68%が将来は住宅を購入し住みたいと考えている。賃貸住宅暮らしを継続したいとする人は7%に留まっており、多くが「家持ち」を望んでいる。
住宅の保有状況は世代別だけではなく、世帯年収別でも差が出ている。雑誌やチョコレートを買うように、気軽に購入できる単価ではないので、差が出るのは当然といえばそれまでだが、ある意味厳しい現実を突きつけられる。
↑ 現在の住宅事情(米、2013年4月4-14日)(世帯年収別)
当然高年収の方が持ち家率は高く、低年収ほど低くなる。2万ドル未満では21%でしかないが、7.5万ドル以上になると75%に達する。
「低年収でもローンを組めば……」という考えを持つ人もいるかもしれないが、上記で触れたサブプライムローンの事例にもある通り、無理なローンを組めば破たんリスクが高まることは誰もが知っている(はず)。低年収ほど「住宅を買うつもりはない」との回答率が高くなるため、「非住宅保有者だが、住宅を購入する予定」の値は中堅の年収まではほぼ同率に収まっている。
少なくとも今項目では経年データは無く、今回の調査が初めてのものとなっている。景気の回復に伴い、この住宅所有性向がどのように変化していくのか。今後の動向に注目したいところだ。
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【アメリカの超住宅バブルとその後の暴落が分かるグラフ】(2009年)
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