【更新】ソーシャルメディアとテレビ、それぞれの世代間意識格差
2013/05/07 06:55
ネットエイジアとシタシオンジャパンは2013年4月25日、テレビとソーシャルメディアの関係性をテーマとした調査結果を発表した。今回はその調査結果の中から、ソーシャルメディアとテレビ、それぞれに対する世代間の意識の違いを垣間見れる項目にスポットライトをあてることにする。インターネット上のサービスの一つであるソーシャルメディアは、概して若年層ほど親しみを覚え、歳を重ねるにつれて無関心さを覚えるといわれているが、実際のところはどのような結果が出ているのだろうか(【発表リリース】)。
スポンサードリンク
今調査は2013年2月25日から3月1日にかけて15-49歳の男女で携帯電話(スマートフォン・一般携帯電話(フィーチャーフォン))保有者に対し、携帯電話経由で行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は50.6対49.4。男女比・世代構成比は携帯電話利用率及び人口分布を元にウェイトバックが実施されている。
まずはテレビとの距離感を推し量る4つの項目「あまり関心が無い」「良く利用している」「人とのやりとりがとても好き(※テレビの場合は「話題として」を意味する)」「確認しないと落ち着かない」それぞれについて、同意を示した人の割合。
↑ テレビとの距離感(世代別)
概して20代のテレビ離れが予見できる結果が出ている。無関心度では20代がもっとも多く36.6%、そしてテレビ視聴の好き嫌いや高利用度に対する同意でも、20代は他の世代と比べて低い値を示している。テレビへの距離感は10代と中堅層が高めだが、「見ないと落ち着かない」、言い換えれば「病みつき」度は中堅層の方がより高い。今調査では40代までが調査対象だが、仮に50代以降で同じような調査をすれば、少なくとも「確認しないと落ち着かない」の値は歳を重ねるに連れて上昇するに違いない。【テレビの視聴時間、若年層で減少中、でもその分高齢者が増えて…】などにもある通り、特に高齢者においてテレビは日常生活に欠かせないものとなっており、その結果は容易に想像できる。
一方ソーシャルメディアでは、テレビとは逆の傾向が見られる。つまり20代の密着性、中堅層の疎遠傾向である。
↑ ソーシャルメディアとの距離感(世代別)
特に20代で「あまり関心が無い」の値がもっとも低く、「よく利用している」率が唯一過半数に達している点は、テレビと正反対の動きを示しており、非常に興味深い。その分中堅層、具体的には30代以降の拒否反応が強く、中でも「あまり関心が無い」の項目は群を抜いて高く、「よく利用している」の値は若年層の半分程度でしかなくなっている。
【テレビを観ながら話題のやり取りをソーシャルメディアで…断トツなツイッター、低めなFacebook】などでも触れているが、リアルタイムで情報の展開ができるソーシャルメディアでは、テレビとの相性の良さに注目が集まっている。しかし一方で今回のように、テレビとソーシャルメディアそれぞれにおいては、世代間の意識の違いが明確化する状況にある。
このギャップをどのように乗り越えるのか、むしろ逆手をとって活用するのか。この点を上手い切り口で解決できれば、テレビ・ソーシャルメディアの双方を活かし、さらに面白い「仕掛け」が作り出せる、そして楽しめるに違いない。
※(2013.05.09.13:10) グラフを一部正しいものに修正しました
スポンサードリンク