テレビを観ながら話題のやり取りをソーシャルメディアで…断トツなツイッター、低めなFacebook
2013/05/01 15:00
ネットエイジアとシタシオンジャパンは2013年4月25日、テレビとソーシャルメディアの関係性に関する調査結果を発表した。それによると調査対象母集団においては、ツイッターを月一以上(一般的に「使用している」の範ちゅうに含まれる利用頻度)で利用している人は27.2%、Facebookは26.2%、LINEは30.5%に達していることがわかった。今回はこの調査結果を元に、テレビ視聴と主要ソーシャルメディアの併用状況について見ていくことにする。いわゆる「ながら視聴」の動向を知れる、貴重な値である(【発表リリース】)。
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今調査は2013年2月25日から3月1日にかけて15-49歳の男女で携帯電話(スマートフォン・一般携帯電話(フィーチャーフォン))保有者に対し、携帯電話経由で行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は50.6対49.4。男女比・世代構成比は携帯電話利用率及び人口分布を元にウェイトバックが実施されている。
先に【利用者の多いmixi、利用頻度の高いLINEやツイッター…主要ソーシャルメディアの利用頻度・利用率】で記した通り、今調査対象母集団ではmixiは37.7%ともっとも高い利用率を示している。次いでGREEが34.0%、新興勢力の最成長株として名高いLINEが33.7%。システム上日本での浸透は難しいとされていたFacebookでも31.2%の値が出ている。一方、月一以上(常用としての頻度)で仕切り直すと、mixi26.4%、ツイッター27.2%、LINE30.5%、Facebook26.2%という値になる。
↑ ソーシャルメディアの利用頻度(「利用者の多いmixi、利用頻度の高いLINEやツイッター…主要ソーシャルメディアの利用頻度・利用率」から抜粋・再録)
今回はこの常用者、つまり「月一以上利用者」に限り、テレビ視聴との併用行動について見ていくことになる。
まずはテレビ視聴時に、単に該当サービスを見る・聞くことがある人の割合。回答選択肢のうち「ある」「たまにある」人の合計比率を表している(以下同)。
↑ 個々のソーシャルメディアを月一以上で利用している人における、テレビ視聴時に該当サービスを見る・聞くことが「ある」「たまにある」人の合計
これは特に内容について指定が無いので、視聴しているテレビ番組との連動によるサービスの利用(例えば番組の内容を書き込む)の他、純粋な併用(マルチタスク)で関連性の無い行動も多分に含まれる。ツイッターとLINEが多めで、Facebookとmixiが低め。チャット的・リアルタイム性の高いソーシャルメディアの方が高い傾向にある。
これを視聴しているテレビ番組との関連性のある行動に限ると、値は大きく変化する。まずは番組の関連情報を該当サービスで見たことがあるか否か。
↑ 個々のソーシャルメディアを月一以上で利用している人における、テレビ視聴時に該当サービスで番組の関連情報を見ることが「ある」「たまにある」人の合計
関連情報の見方は色々な方法がある。ツイッターなら番組専用アカウントをチェックしたり、ハッシュタグを追いかけたり、あるいはリアルタイム検索で番組名を検索する。Facebookなら番組のFacebookページ(旧ファンページ)で詳細を確認するなど。リアルタイム性の強いチャット的なソーシャルメディアとしてはツイッターと肩を並べるLINEだが、今項目では意外に値が低い。LINEがツイッターとは異なり、どちらかといえば特定対象者との意思疎通をメインとしているのが原因だろう。
最後に、さらに一歩踏み込んで、自分自身がテレビ番組に関する情報発信者となる事例。
↑ 個々のソーシャルメディアを月一以上で利用している人における、テレビ視聴時に該当サービスで番組に関するつぶやきや書込みをすることが「ある」「たまにある」人の合計
ツイッターの値がずば抜けて高く、「関連情報を見ること」以上の差異が出ている。今件結果だけで判断すると、他のソーシャルメディアと比べてツイッターは、テレビとの相性が良く、情報の公知には有益なサービスであることが分かる。
また、Facebookの値が他と比べて相当少ない結果が出ている。これはFacebookが実名主義をとっていることから、テレビ番組の内容を記述することで、自身の行動性向を暴露してしまう面があるからだと考えられる(学問的な話やレポートならともかく、エンタメ番組などでの視聴を他人には知られたくない立場の人も多いだろう)。あるいはビジネスでFacebookを利用している場合は、プライベートな視聴が多いテレビ番組の内容を書き込むのは、避けるのが当然といえる。
一方、知り合い同士の世間話的なやりとりが多いLINEで、行動率が低いのは意外に思える。テレビ視聴は番組自体の楽しさに加え、その番組を共通のテーマとし、他人とのコミュニケーション用の素材とするための行動でもある(学校での友達との会話で「昨日のテレビ番組」について語り合う、話のネタにする経験は何度となくあるはずだ)。報告書では事象のみが語られており、原因・理由に関する言及はないが、興味深い傾向といえよう。
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【ニフティ、ツイッターと連動したリアルタイム疑似視聴動向表示アプリ「みるぞう」提供開始】(2011年)
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