保護者が抱える子供のネット利用での不安、しかし対策は……

2013/04/24 09:45

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子供によるパソコン利用トレンドマイクロは2013年4月18日、子供のインターネット利用における保護者の不安とセキュリティ教育に関する調査結果を発表した。それによると小中学生の子供を持つ保護者から成る調査対象母集団においては、自分の子供に対してインターネットやSNS利用の際の注意点やマナーの教育を家庭で行いたいと考えている人は9割を超えていることが分かった。一方で、実際にその教育をしている人は4-6割程度でしかなく、子供の学年などでも差異が生じている。さらにパソコンの閲覧制限では、していない保護者の少なからずが理由として「仕方が分からないのでしていない」と答えており、保護者側にも対応策が求められる状況がうかがい知れる結果が出ている(【発表リリース】)。



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今調査はインターネットを利用する小中学生(小学4年生-中学3年生)の保護者(親)を対象にウェブアンケート方式で、2013年3月28日から29日にかけて行われたもので、有効回答数は412人。

以前記事で記した通り、子供のインターネット利用については多くの保護者が多種多様な懸念を抱いている。

↑ 子供のインターネット利用について親が抱える不安(複数回答)(再録)
↑ 子供のインターネット利用について親が抱える不安(複数回答)(再録)

この不安への対応策としては、大別すると「子供への啓蒙教育(ソフト面)」「制限が出来る環境の整備(ハード面)」の2つの手段が挙げられる。まずは前者だが、自分の子供に対してインターネットやSNS利用の際の注意点、マナーの教育を家庭で行いたいとする保護者は93.2%に達していた。意欲は旺盛であることが分かる。

↑ 自分の子供に対してネットやSNS利用の際の注意点、マナーの教育を家庭で行いたいか
↑ 自分の子供に対してネットやSNS利用の際の注意点、マナーの教育を家庭で行いたいか

ところが実際に、そのような教育を行っている世帯は多くない。子供に接する時間の長短も一因だが、概して母親の方が長い。また好奇心の高まりに伴うリスクの増加もあり、小学生よりも中学生に対しての方が教育率は高い。とはいえ、最高値を示す母親・対象が中学生でも、約2/3の世帯でしか行われていない。

↑ 自分の子供に対してネットやSNS利用の際の注意点、マナーの教育を家庭で行っているか(各属性別、居る人の割合)
↑ 自分の子供に対してネットやSNS利用の際の注意点、マナーの教育を家庭で行っているか(各属性別、居る人の割合)

逆算すると3-5割の保護者が「子供にネット上の注意点やマナーを家庭で教えたいが、実際にはしていない」ことになる。時間の都合か親子の対立か、それとも教え方が分からない、何を教えて良いか分からない、理由はさまざまだが、保護者側の準備経験知識不足には違いない。

似たような話は「制限が出来る環境の整備(ハード面)」でも見受けられる。今調査対象母集団では、子供の利用するパソコンでいわゆる「URLフィルタリング」をしていない保護者は64%(一部のみ対応も合わせると82%)に達している。セキュリティ上は対応することが望まれるのだが、していない理由の多分には「仕方が分からない」が挙げられている。特にデジタル系技術と疎遠となる場合が多い母親で回答率が高い。

↑ 子供が操作するパソコンでウェブサイトの閲覧制限をしていない理由は?(閲覧制限をしていない人限定、「対策の仕方が分からないから」の回答率)(各属性別)
↑ 子供が操作するパソコンでウェブサイトの閲覧制限をしていない理由は?(閲覧制限をしていない人限定、「対策の仕方が分からないから」の回答率)(各属性別)

リリースではこのような状況に関して、「子供のインターネット利用が当たり前となった今、子供を危険から守るための対策を、周囲の大人が早急に実施することが求められる」「親自身が対策にあたって必要なことを把握するとともに、子供向けの教材や、必要なコンテンツを家庭に取り入れることで、子供のセキュリティ教育を実践することをお勧めする」としている。多分に納得できる進言ではある。


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