半々から1対9へ…減少するスマートフォンと従来型携帯の併用率(2015年)(最新)
2015/04/10 15:20
以前【未使用者の「欲しいスマホ」はiPhoneに軍配、女性はAndroidの2倍も「iPhoneがホシイ」】などで、ライフメディアのリサーチバンクによるスマートフォンに関する調査結果を基に、記事の展開を行った。今件調査は2010年以降毎年継続的に実施されており、それらの結果を読み返すことで、経年によるスマートフォン周りの変化を知ることができる。今回はその変遷をまとめ、データを再構築することで、スマートフォンの利用者における利用スタイルの推移を垣間見ることにする(【発表リリース:スマートフォンに関する調査(2015年)】)。
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今調査の最新版である2015年分は、2015年3月27日から4月1日にかけてインターネット経由で10代から60代の全国男女に対して行われたもので、有効回答数は1200件。男女比・10歳区切りの世代構成比は均等割り当て。他年の調査もほぼ同一条件で実施されている(2010年のみ年齢区分無し)。ただし日本の人口構成比によるウェイトバックはかけられていないことに留意する必要がある。
以前の記事の通り、2011年時点では1割強でしかなかったスマートフォン所有率も、直近の2015年では59.0%にまで増加している。
↑ 現在スマートフォンを使っているか(複数回答、2011年-2015年)(再録)
今回はこの「スマートフォン使用者」における使いぶりを見ていくことになる。具体的には従来型携帯電話(フィーチャーフォン)との併用の是非。
基本的に従来型携帯電話の全機能をスマートフォンは受け継いでいる「はず」であり、スマートフォンを縦横無尽に使いこなせば、従来型携帯電話は不必要となる。一方、着メロなどを保存しておくため、シンプルな操作性を好む、特定機能を安価で使い続けるなどの理由により、場面によって使い分ける人も少なくない。さらに昨今では新型機のほとんどがスマートフォンであることから、新規に携帯電話を購入、あるいは買い替えの際に、選択肢がスマートフォンしかなかった人も少なからずいるはず。
今調査結果では2010年時には実にスマートフォンを利用している人の半数が、従来型携帯電話を併用していた。
↑ 従来型携帯電話は利用しているか(スマートフォン使用者限定、2010年-2015年)
しかし年の経過と共に併用者の割合は減り、直近の2015年ではわずか9.4%にまで減少している。これは「スマートフォンそのものの進化で従来型携帯電話の保有・必要性が減った」以外に、「従来型携帯電話からの乗り換えではなく、モバイル端末は最初からスマートフォンだった(ので、併用する従来型携帯電話は元々持っていない)」事例が増えているものと考えられる。また手持ちの従来型携帯電話が旧式のものとなり、使用に耐えられなくなった事例もあると考えて良い(携帯電話全般においても、3-4年もすれば1モデル分はチェンジするものだ)。
従来型携帯電話とスマートフォンの併用者がゼロになることはないだろう。しかし一方で今後も併用者率は減ることも間違いない。ただし今件はあくまでもスマホと従来型携帯電話の併用者に関する動向であり、従来型携帯電話のみの利用者とスマートフォンの利用者との比率ではない事に注意しておく必要がある。使いやすさや料金携帯なども合わせ、スマートフォンと従来型携帯電話の二種択一の場合、あえて従来型携帯電話を選ぶ人は今なお大勢いる。また双方の性質を併せ持つ「ガラホ」なるものも登場している(ただし要となる利用料金がスマホに近い様式であることから、あまり一般受けはしていない感は否めない)。
今後はさらに「最初からスマートフォン」「従来型携帯電話など触ったことはない」との人が増加することは容易に想像できる。それと共に「従来型携帯電話との併用などしていない。スマートフォンだけ」との人は増えるに違いない。
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