「北朝鮮の軍事攻撃の際に米は軍事的に韓国を助けるべき」米市民は55%が賛成・反対は34%
2013/04/07 10:00
アメリカの調査機関【ギャラップ社】は2013年4月4日、アメリカにおける朝鮮半島の動乱リスクに関する調査結果を発表した。それによると北朝鮮が韓国に軍事的攻撃を実施した場合、アメリカは軍を出動させて韓国を助けるべきであるとする意見は55%に達していることが分かった。助けるべきでは無いとする意見は34%となっている。また今後半年以内にそのような軍事的リスクが発生する可能性については43%の人が「ありうる」と考えている(【発表リリース:Americans Say U.S. Should Aid South Korea if Attacked】)。
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今調査は2013年4月2日-3日にかけてアメリカ国内に住む18歳以上の成人に対し乱数で選択された電話番号に対する電話インタビュー形式(英語とスペイン語)で行われたもので、有効回答数は1025人。国勢調査などの統計データに基づいたウェイトバックが行われている。
先日から相次いで北朝鮮による外交戦略の一環ともいえる「無慈悲な攻撃」の示唆が繰り返され、同地域の情勢は日増しに緊張感が高まりを見せている。今件はアメリカでも大いに注目を集めており、今回特集枠としてギャラップ社による調査が行われることになった。それによると調査対象母集団においては、今後半年間で北朝鮮が韓国に軍事行動を行う可能性があると考えている人は43%に達していた。過去の調査が無く比較はできないが、4割強がリスクを覚えるという状況は、それなりに事態が差し迫っている「と考えられている」ことに違いはない。
↑ 見聞きした限りでは北朝鮮はどのような行動をとると思われるか
一方、アメリカ自身に軍事行動を行うのではとする意見は28%に留まり、対韓国に比べては低い値となっている。とはいえ見方を変えれば、3割近くはそのリスクを認識している実態が明らかにされたともいえる。
それでは仮に北朝鮮が韓国に軍事行動をとった場合、アメリカは軍を出動させて韓国を助けるべきだろうか(実際には米韓相互防衛条約があり、規模はともかく助力をする義務がある)。この問いには55%が賛意を示し、34%が反意を表明している。
↑ もし北朝鮮が韓国を攻撃したら、アメリカは軍を出動させて韓国を助けるべきか
条約の上では助力の義務があるものの、距離的には大いに離れていることもあり、「助けるべき」とする意見は過半数を超えているが、圧倒的多数までには至らない。むしろ1/3以上が反対しているという事実に注目すべきかもしれない。
もっともこの「助けるべきではない」とする反対派の多さは、多分に関心度の低さからくるもののようだ。昨今の朝鮮半島情勢ニュースに関心を持ち、チェックをしている人は2/3が賛成しているのに対し、無関心な人は37%のみに留まり反対派が5割近くに達するという結果が出ている。
↑ もし北朝鮮が韓国を攻撃したら、アメリカは軍を出動させて韓国を助けるべきか(北朝鮮関連ニュースへの関心度合い別)
関心の無い地域の話であれば、軍事的助力は必要ないとする意見が多数との結果が出ても当然といえよう。
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