通勤電車の中での時間の過ごし方、トップは「メールをする」「車内広告を見る」では無くて……
2013/04/10 14:45


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今調査は2013年3月7日-11日にかけて関東・関西在住の20-59歳の就業者を対象に、携帯電話を用いたインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000人。地域構成比は関東・関西で均等、男女比・世代構成比(10歳区切り)はほぼ均等割り当て。協力調査機関はネットエイジア。
今調査対象母集団で通勤に電車を使っている人は59.8%。それらの人に通勤電車内でどのような時間の過ごし方をしているかを聞いた結果が次のグラフ。場合によっては片道1-2時間もありうる通勤電車での時間の過ごし方は、自分自身への投資という観点でも非常に重要なポイントではあるが……。

↑ 通勤時間の電車内での過ごし方(通勤に電車を利用している人限定、複数回答、上位のみ)
最上位についたのは「寝る」。51.3%と過半数の人が「通勤電車では寝ている」と答えている。立ったまま寝るのは困難に等しく、必然的に座席に座れることが前提となるが、それでもこれだけの人が通勤電車では寝ていることになる。電車の振動が心地よいことや車内温度も比較的過ごしやすい、睡魔をもたらす設定なのも、電車内を眠りに適した環境としている。また、日常生活における睡眠時間不足を補てんするという点でもプラスになる。とはいえ、環境によっては風邪をひきかねないし、乗り過ごしのリスクもある。他の行動に使える時間を無駄に浪費しているとの考えもあろう。
第2位は「メールをする」。普段からどれだけ頻繁に(携帯電話で)メールをしてるのか、という突っ込みをする人もいるかもしれないが、半ばチャットをしているような感覚でのやり取りならば、電車でメールをしたくなるのも理解はできる。また業務連絡を電車内での移動の際に行い、仕事場についてからの作業をスムースに進ませるという切り口もある。

これらの項目について世代別にグラフを再構築すると、概して若年層の方が高い値を示している。若年層ほどアグレッシブに、多様な行動をしているようだ。

↑ 通勤時間の電車内での過ごし方(通勤に電車を利用している人限定、複数回答、上位のみ)(世代別)
「寝る」「メールをする」は世代間の差異があまりない。特に「メールをする」は50代でも4割以上の人がこなしており、携帯電話によるメールでのコミュニケーションの普及ぶりが把握できる。一方で「音楽を聴く」「ゲームをする」「SNS・ミニブログを閲覧・投稿する」は世代による差異が大きく、この分野ではデジタルギャップが大きく出ているのが分かる。特に「音楽を聴く」は20代ではトップ項目となっており、電車内で大いに音楽を楽しんでいる。
他方「読書をする」は壮齢世代の方が高い。アナログスタイルを踏襲していると考えれば良いのだろうか。ただし今件には「雑誌」「新聞」「漫画」は含まれていない。小説、文庫、専門書の類が該当する。若年層でも3割前後を維持しているのは、趣味趣向の書籍や、いわゆる「ラノベ」も含まれているからかもしれない。
やや余談になるが、11位以降の回答項目のうち、かつて電車内の行動での定番だった項目をいくつか抽出し、グラフ化しておく。

↑ 通勤時間の電車内での過ごし方(通勤に電車を利用している人限定、複数回答、下位一部抜粋)(世代別)
実態調査の記録は無いが、かつては電車内では新聞や雑誌を読む人が大勢を占めていた。加えてウォークマンなどの携帯型カセットテープレコーダーによる音楽聴取だろうか。今調査ではいずれも1割にも満たず、時代の流れを再確認させる(と共に、今結果が実態に合致していることが分かる)。
漫画を読む人は高齢層ではほとんどいないが、新聞は歳を経るほど読み手が増える。とはいえ、50代でも電車内で新聞を読むと回答した人は8.5%でしかない。新聞や雑誌の売れ行きが落ちている一因として、電車内での購読機会が減っているとの実態が、改めて思い知らされる次第である。
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