3Dプリンタに興味がある人5割強、オリジナル品で作りたいものはインテリア・生活雑貨・フィギュア
2013/03/29 14:45
MM総研は2013年3月27日、国際大学グローバル・コミュニケーション・センターと共同で行った3Dプリンティング・プリンタに対する消費者の潜在需要に関する調査・分析結果を発表した。それによると調査対象母集団においては、3Dプリンタの内容を知っている人は1割強に留まったものの、概要を説明した上で興味を覚える人は過半数に達していることが分かった。さらに興味がある人に「オリジナルなモノを作る場合、何を作ってみたいか」と聞いたところ、「インテリアや生活雑貨、食器」を挙げた人がもっとも多く、3割を超えていた。単一回答にも関わらず回答は比較的分散しており、3Dプリンタの多様な需要が予想できる結果となっている(【発表リリース:3Dプリンティングの消費者潜在ニーズ調査】)。
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今調査は10代-70代の男女に対してインターネット経由で2013年1月9日から10日にかけて行われたもので、有効回答数は一次調査が5694件、二次(本)調査が2000件。二次調査の男女比は58.3対41.7。世代構成比は10代から10歳区切りで6.9%・13.8%・19.4%・17.9%・15.0%・16.3%・11.0%。
今調査での3Dプリンティン・3Dプリンタとは「画像などを元に立体データを作成し、それを短期間に立体造形する製品・サービス」を意味する。現在は工業製品などの試作や医療部門で浸透しはじめているが、将来的には個人ベースでの利用による「オンリーワン」的なアイテムを作る市場形成が期待されている。
一次調査の調査対象母集団に対し、3Dプリンタの製品やサービスの興味度合を聞いたところ、まず内容を知っていた人は1割強。そして上記に挙げた定義を説明した上で、興味関心があるか否かを聞いたところ、過半数の人が興味を覚える結果となった。
↑ 3Dプリンティング・プリンタ製品やサービスへの興味
認知度はまだまだこれからだが、内容的には関心を引かれる機器・サービスであることが分かる。
そこで「興味がある」と回答した人で2000人から成る本調査の調査対象母集団を形成。その人たちに「オリジナルなものを」「最初にひとつ」3Dプリンタで作るとしたら、何を作りたいかを聞いたところ、「オリジナルインテリア・生活雑貨・食器」との回答が最多を占め、32.7%の回答率を示す結果となった。
↑ 自分だけのオリジナルなモノを最初にひとつ3Dプリンタで立体造形するとした場合、何を作りたいか(択一)
第二位には「好きなキャラクターや人物のフィギュア」で17.7%。次いでほぼ同数となる16.2%で「オリジナルガジェット・小物(スマホケースやカメラレンズのフタなど)」が続いている。その他「手に入らない、入りにくい小物」を作りたいとの需要が多い。また回答は案外分散しており、多種多様な需要が想定できる。
3Dプリンタは小型(本体自身や生成される造形物)のものでも10万円単位のものがほとんどで、しかもデータを作り出すのにはそれなりの技術がいるため、それこそコンビニでコピーを取るかのような気軽さで作れるような代物では無い。一方で個人や小規模なグループでも技術を習得してそれなりの機材を調達できれば、新たなビジネスを構築できる可能性が秘められている。すでに【子供のお絵かきを一生の宝物に仕上げる、3Dプリンタ活用法】で紹介したサービスのように、「立体造形を気軽に作れるのなら」という前提から発想を成したビジネスがいくつか確認されている。
立体造形の技術や才覚を持つ人には、今後さらに楽しい時代が待っていそうだ。
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