子供にスマホを持たせたい親が不安に思うこととは?
2013/03/29 11:30
サーベイリサーチセンターは2013年2月25日、新中学生・高校生の子供を持つ保護者における、子供の一般携帯電話・スマートフォンの保有状況や買い替え意識に関する調査結果を発表した。それによると調査対象母集団においては、子供にスマートフォンを持たせるか否かに関して、以前と比べて肯定的な心境に転じた人は3割強に達していることが分かった。一方でより否定的な意見を持つようになった人は1割に留まっている。また仮に子供がスマートフォンを保有した場合、「電話料金・通信料金がかかりすぎるかもしれない」との不安を2/3近くの保護者が抱いていることも明らかになっている(【リリース一覧掲載ページ】)。
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今調査は2013年2月8日から14日にかけてインターネット経由で新中学生・新高校生の子供が居る男女に対して行われたもので、有効回答数は2000人。子供の男女比、子供の新規入学する学校別で均等割り当て。回答者は子供自身では無く、その保護者であることに留意しておく必要がある。
子供に対して携帯電話の類を持たせる際、一般携帯電話(いわゆるフィーチャーフォン)にするか、スマートフォンにするかは大きな悩みどころ。後者の方が汎用度は高く流行でもあるが、同時にコスト、そして自由度が高いがために利用上の安全面などへの不安も尽きない。それらを加味した上で、以前と比べて「子供にスマートフォンを持たせる」ことに対する気持ちに変化は生じたか否かを聞いたところ、全体では34.2%がより肯定的な意見を持つようになったと答えている。他方、否定的な意見に転じた人は10.3%だった。
↑ 以前と比べて子供にスマートフォンを持たせることへの気持ちに変化はあるか
特に高校生の子供を持つ保護者の好転化率は高く、4割を超えている。スマートフォン利用者の低年齢化に連れ、「安全対策も導入されてきているし、高校生でも必要かも」と思う人も増えているのだろう。
一方で子供がスマートフォンを保有することについて、不安を持つ面もある。保護者が抱く最大の不安要素は「夢中になりすぎて電話料や通信料をかけすぎてしまうのではないか」というもの。全体では64.2%の人が危惧している。
↑ スマートフォンへの不安(仮に子供が保有した場合)(複数回答)
保護者と比べれば分別の点でまだ未熟な中学生や高校生。つい使いすぎて多額の料金請求がなされてしまうかもしれない。親が不安を覚えるのも当然。ほぼ同数で次点にある「ゲーム課金などで高額請求をされてしまうかも」も同様の不安要素といえる。
トップ2は金銭的な問題だが、第3位は「ゲームなどに夢中になりすぎて勉強しなくなる」。この要件は保護者自身も経験があるかもしれない。それだけに発生状況は容易に想像しやすく、上位につくのも納得がいく。またインターネットへのアクセスがしやすくなることから「有害情報サイトへアクセスしてしまう」「出会い系サイトなどでトラブルを起こしてしまうかも」のような、ネット上の情報・コミュニティでの「悪しき領域」へ足を踏み入れてしまうかもとの懸念も高い値を占めている。これらは多分に、子供が十分な判断能力を持っていないがための心配といえる。
実際、子供の学校種類別に見ると、その多くで中学生よりも高校生の方が、保護者の不安は小さくなる。
↑ スマートフォンへの不安(仮に子供が保有した場合)(複数回答)(子供の学校種類別)
中学生ならまだ判断に甘く、トラブルに巻き込まれてしまうかもしれない。しかし高校生なら分別もついているだろう……という親側の考えが、中学・高校の回答率の差に表れている。
自由度が高く高機能であるため、リスクも大きくなるスマートフォンを、仮に子供に持たせる場合、その端末にはどのような機能・仕様が欠かせないか。この問いにも保護者側の不安要素がそのまま表れている。
↑ 子供に持たせるスマートフォンに欠かせないポイント(複数回答、在学中に携帯電話の買換え・新規購入を検討している人限定)
最重要ポイントとして挙げられているのは「低料金」。リリースに詳細な解説は無いが、本体の購入や電話料金・通信料共に原則保護者側が出すことが常であること、子供の携帯電話周りでは本体価格ではなく使用料金のトラブルが多いこと、そして上にある「スマートフォンへの不安」からも分かるように、これは「電話料や通信料の低料金」を意味しているものと考えて間違いない。この項目に関しては中高生の子供を持つ保護者共に85%台の高い回答率を示している。
続く回答は「安心・安全」。こちらは中学生が78.6%、高校生が68.5%と約10%ポイントほどの開きがある。この差異が上で触れた「中学生よりは高校生の方が成長している、分別に長けている(という保護者の思い)」によるものと考えられる。一方で「最先端」の項目は逆に高校生の方が高いが、これは中学生よりも高校生の方が流行に敏感であることの表れだろう。
「金銭周り」と「安全面」。保護者が子供にスマートフォンを保有させるためのハードルは、大きく分類するとこの2つと見て良い。これらの要件は何も子供に限った話ではなく、大人も同様に注意すべきではあるが、子供は良し悪しの判断で大人に劣る部分があり、それだけに保護者の心配も大きなものとなる。
見方を変えれば、携帯電話各社やサービス提供会社は、この2点を上手く解消することによって、子供を持つ大人の支持を集めることもできるに違いない。
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