平均約960曲、ヘビーユーザーやや減少の動き…音楽のデジタル保存状況動向(2013年発表)
2013/03/23 14:00
日本レコード協会は2013年2月12日、音楽ソフトや有料音楽配信などのような音楽メディアの需要を総合的に把握するのを目的とした「音楽メディアユーザー実態調査」の2012年度版の結果を、概要としてまとめた報告書を公表した。今回はその公開されたデータの中から「iPodなどのデジタルメディアを用いた音楽ライブラリの保存状況」の確認を行うことにする。今や音楽の玉手箱、魔法のおもちゃ箱と化したデジタル音楽メディアの中に、利用者はどの位の曲を保存しているのだろうか(【発表リリース:2012年度「音楽メディアユーザー実態調査」報告書公表】)。
スポンサードリンク
今調査は12-69歳の男女(中学生は親の代理回答)に対して2012年8月に実施されたもので、有効回答数は4948人。インターネットアンケート調査方式で行われたもので、性別・世代別・地域別にほぼ均等に回答を集めた後、2010年国勢調査を元にウェイトバックを行い、各種統計では修正後の値を用いている。
昨今ではiPodに代表される携帯デジタル音楽再生機器だけでなく、パソコンを用いた音楽視聴など、デジタル化された音源を視聴するスタイルも多種多様化している。そして視聴する音源もダウンロード販売されているものを購入するのみならず、無料配布のを取得、購入したCDを音源化するなど、さまざまなルートで入手可能となっている。
今件調査対象母集団では、63.4%の人がデジタル化した音源を保存している。これは最初からデジタル化されているものだけでなく、CDなど他の媒体からデジタル化した場合も含む。昨年2011年と比べるとやや減少しているが、2/3近い人がデジタル化した音源を保存している計算になる。
↑ 音源のデジタル保存の有無
また、デジタル化された音源の保存数を経年変化で見たのが次のグラフ。大量に保有する人がやや減り、平均値も約80曲ほど減ってしまった。
↑ デジタルライブラリの状況(保有者限定、択一回答)
↑ デジタルライブラリの状況(保有者における平均保存曲数)
とはいえ、相変わらず大量(原文では「アルバム約100枚」という表現が用いられているが、言い得て妙といえる)の音源を自分のデジタル音源利用機器に保有していることになる。
昨年の記事では省略してしまったが、所有している音源の取得元・方法は次のような区分となる。「購入したCDからのコピー」「無料動画共有サイトからのダウンロード」「有料音楽配信サービスで購入」。この3種類だけで8割近くに達している。
↑ デジタルライブラリにおける音源の種類(デジタルライブラリ化している人限定)
2011年から2012年への動きで見ると、「購入したCDからのコピー」はほとんど変わらず、「無料動画共有サイトからのダウンロード」「有料音楽配信サービスで購入」が上昇している。デジタル音源のコレクション方法として、音楽配信サービスの重要性・必要性がさらに増してきたことを予見させる。
来年に発表されるであろう2013年分でこの動きが継続するか、それとも購入CDからの音源化が盛り返すのか。CDの販売の動向と合わせ、その挙動に注目したいところだ。
■関連記事:
【音楽好きな若年層、音楽を買ったきっかけは「アーティスト買い」「テレビで気に入って」そして「動画共有サイトで試聴して」】
スポンサードリンク