シニアが自動車に求めるもの、燃費に安全性能、そして価格
2013/03/28 14:45
ゲインは2013年3月13日、同社が運営するアンケートサイトQzooにおいて実施した「シニアの車の運転に関する意識調査」の結果を発表した。それによると60-70代で自動車を所有する男女から成る調査対象母集団において、自動車に求める要件としてもっとも多くの人が挙げたのは「燃費」だった。8割近い人が「燃費の良い自動車が好まれる」と答えている。次いで「運転支援など充実した安全性能」「車両価格」が続いている(【ゲイン公式ページ】)。
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今調査は2013年3月2日から3日にかけてインターネット経由で60-70歳の自動車を保有する男女に対して行われたもので、有効回答数は300人。男女比は1対1、居住地域比率は都市部対地方が3対2。世代構成比は非公開。
日頃から自動車を運転する今調査対象母集団に、自動車にどのような性能・機能・特徴を求めているかについて、選択肢の中から当てはまるものを複数回答で聞いたところ、もっとも多くの人が同意を示したのは「燃費(の良さ)」だった。77.3%の人が求めている。
↑ 自動車に求めるものは(複数回答)
日常生活において「生活の足」として多用する自動車。ランニングコストが低く抑えられればそれに越したことはない。この心情は特に高齢者に限らず、ドライバーすべての願いと言ってよい。「安上がりで済ましたい」という気持ちは、第3位の「車両価格」にも表れている。
第2位は「運転を支援するシステムなどの充実した安全性能」。【自分の運転に自信が無いシニアドライバー3割強、不安に覚えるのは「判断力の衰え」】などで触れているように、体力などの衰えで自分の運転に不安を感じているドライバーは多い。「万が一」という事態が自分の場合は「千が一」くらいかもしれないと自覚している人もいるだろう。そのリスクを少しでも軽減するための機能があれば、シニアドライバーには嬉しい話に違いない。第4位の「しっかりした走行性能」とは「走る・曲がる・止まる」などの挙動を意味しており、こちらも間接的ではあるが、運転手自身の運転への不安をサポートする、少々甘い操作でもしっかりと反応してくれる、言い換えれば自身の運転技術の不足分をカバーできる性能を求めている。
↑ 運転する上で不安に感じていること(複数回答)(再録)
また安全面以外にもスマートな自動車運転ができるよう(例えば道に迷わない、行きたい場所に最短距離でたどりつける)なカーナビをはじめとする支援機能はありがたい話。
これを男女別に見ると、概して男性の方が要望が多い。
↑ 自動車に求めるものは(複数回答)(男女別)
特に「デザイン」「車内快適性・居住性」ですら男性の値が高いのが少々驚き。女性の方が強い要望を持っているのは「環境配慮」「取り回しのしやすさ」「(オーディオ、エアコンなどのディーラー)パーツ充実」ぐらい。もっとも上位陣では順位の変化は無く、男女ともに要望に大きな違いは無いようだ。
居住地域別でも変化はあまり見られない。
↑ 自動車に求めるものは(複数回答)(居住地別)
地方居住者の方が自動車の利用頻度は高い(【60-70代の自動車運転者、4割は毎日運転・地方居住者は5割近くも】)。利用スタイルをイメージすれば、その理由は自ずから理解できる。買い物、通勤、送迎などなど。徒歩の範囲で多くをまかなえる都心部とは事情が異なっており、日常生活に欠かせない「生活の足」となっている人も少なくない。「燃費」の良さを求める声が高くなるのも当然といえる。一方で「取り回しのしやすさ」で都市居住者の値が高いのは、狭く込み入った場所を行き来する機会が多いからだろう。
調査対象母集団や調査環境は異なるが、以前【「もっと若者向けの自動車が欲しい」新成人は5割近くが希望】で新成人に対して同じような質問をしている。
↑ はじめての自動車選びのポイント(3つまでの複数回答、上位限定)(運転免許証保有者・取得予定者で、自動車を購入する予定が無い人以外)(再録)
価格や燃費など、直接金銭面に関わる部分が上位にあるのは変わりないが、デザインが上位についていることなど、シニア層とは需要面で大きく異なる部分もある。それぞれの層が「自動車」に何を求めているのか、そして「自動車」をどのような存在として位置づけ、利用したいのか、作り手はよく考えねばならないことは言うまでもない。
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