スマートフォン所有率は37%…米未成年者の携帯電話やスマートフォンの所有状況

2013/04/01 11:30

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携帯電話と子供アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2013年3月13日、アメリカの未成年者(12-17歳)におけるデジタル技術を活用したツールの利用・所有傾向レポート【Teens and Technology 2013】を発表した。今後市場を形成していく子供達のデータであることから、同国内のデジタル化の進展具合や市場の動向推定に役立つ、注目に値する内容といえる。今回はその中から、携帯電話やスマートフォンの所有性向について見ていくことにする。



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今調査は2012年7月26日から9月30日にかけて、RDD方式で選ばれた電話を有する12-17歳の若年層及びその保護者に対し、電話インタビュー形式(英語とスペイン語)で行われたもので、有効回答数は802人(若年層数。同数の保護者回答者もいる)。各値は国勢調査などによるウェイトバックが行われている。

先日【「ネットへのアクセスは携帯メイン」は全体の25%…米未成年者のインターネット利用性向】で解説したが、今調査対象母集団では1/4が「インターネットを利用して、その利用のメインは携帯電話」と答えている。なお今件では携帯電話(Cell Phone)は一般携帯電話(フィーチャーフォン)とスマートフォン(Smart Phone)の双方を意味する。

↑ インターネットの利用は携帯電話経由がメイン(米、2012年7月、12-17歳)(再録)
↑ インターネットの利用は携帯電話経由がメイン(米、2012年7月、12-17歳)(再録)

この1年で携帯電話全体の保有率はほとんど変わらないが、スマートフォンに限れば14%ポイントも上昇している。12-17歳に限定してもスマートフォンの急速な浸透ぶりは目覚ましいものがある。

↑ 12-17歳における所有性向の推移(米)
↑ 12-17歳における所有性向の推移(米)

それでは調査時点における携帯電話の所有動向はいかなるものだろうか。全体では78%が携帯電話を持っていると答えていた。

↑ 携帯電話所有性向(米、2012年7月、12-17歳)
↑ 携帯電話所有性向(米、2012年7月、12-17歳)

男女では差異は無いに等しく、世代別では当然ながら年上の方が所有率が高い。親の学歴・世帯年収共に高い方が高所有率を有するが、これはお財布事情によるものと、親の学歴と世帯年収は往々にして比例関係にあることに起因する。

それではスマートフォンに限定した場合は、どのような所有率を示すだろうか。全体では37%となり、1/3以上の子供がスマートフォン所有者という結果となった。同様の調査では成人(18歳以上)所有率は45%という結果が出ており、それと比べれば低いものの、かなりの割合での普及状態といえる。

↑ スマートフォン所有性向(米、2012年7月、12-17歳)
↑ スマートフォン所有性向(米、2012年7月、12-17歳)

携帯電話と比べると、属性別での差異が大きいのが特徴。世代別で約2倍なのをはじめ、親の学歴、世帯年収で大きな差が出ている。各種金銭的負担が大きいのが最大の原因だろう。地方居住者の保有率が低いが、この原因は不明(原文にも説明は無い)。大人の場合は「地方居住者=高齢者率が高め=スマートフォンを敬遠しがち」という図式が成り立つため、地方居住者のスマートフォン所有率が低い傾向にあるが、これが関係している、つまり親が持っていないのだから共有はできないあたりが原因の一つなのかもしれない。

なお原文ではスマートフォンの利用性向について、次のような説明が記されている。

・全体比では25%が「携帯電話からのアクセスがインターネット利用のメイン」だが、携帯電話所有者で限ると33%に、そしてスマートフォン所有者に限定すると50%に上昇する。
・女子14-17歳における「携帯がネットアクセスのメイン」の人は34%だが、そこからさらにスマートフォン所有者に限定すると55%にまで増加する。
・低年収世帯は高年収世帯よりも高い比率で、パソコンの代わりに携帯電話をインターネットのメインの窓口として使用する傾向がある。

最後の「年収と携帯電話によるインターネット利用率の関係」は以前【携帯保有者の17%は「ネットはほとんど携帯経由」…米「携帯でネットアクセス」の重要度合い】で記した通り、大人においても同様の動きを示している。

↑ 携帯電話でインターネットを利用する人における、「インターネットへのアクセスは携帯電話が一番多い」人の割合(大人、再録)
↑ 携帯電話でインターネットを利用する人における、「インターネットへのアクセスは携帯電話が一番多い」人の割合(大人、再録)

アメリカにおいてスマートフォンは未成年者でも、使い易いインターネットの窓口として、そして低所得層にはスマートフォンも含めた携帯電話はハードルの低いインターネット利用の手段として、重宝されているようだ。



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