家族との共有も合わせ、タブレット機の所有率は23%…米未成年者のパソコンやタブレット機の所有状況
2013/03/24 20:00
アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2013年3月13日、アメリカの未成年者(12-17歳)におけるデジタル技術を活用したツールの利用傾向に関するレポート【Teens and Technology 2013】を発表した。同国内のデジタル化の進展具合や今後の市場形成予想において、有益なデータが多数盛り込まれている内容であり、注目に値する。今回はその中から、主にパソコンやタブレット機の保有性向について見ていくことにする。
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今調査は2012年7月26日から9月30日にかけて、RDD方式で選ばれた電話を有する12-17歳の若年層及びその保護者に対し、電話インタビュー形式(英語とスペイン語)で行われたもので、有効回答数は802人(若年層数。同数の保護者回答者もいる)。各値は国勢調査などによるウェイトバックが行われている。
先日【「ネットへのアクセスは携帯メイン」は全体の25%…米未成年者のインターネット利用性向】で解説したが、今調査対象母集団においては95%がインターネットを(媒体は問わず。モバイル系も含む)一定以上の頻度で利用している。
↑ インターネット利用性向(米、2012年7月、12-17歳)(再録)
それではそのアクセスのメインとなる場合が多い、パソコンの保有動向はいかなるものなのだろうか。この「パソコン」にはデスクトップ以外にノートパソコンも含むが、タブレット機は含まない。また「個人の所有」以外に家族や兄弟との共有状態の場合も「所有」と判断している。
↑ パソコン(デスクトップ、ノート)所有性向(共有含む)(米、2012年7月、12-17歳)
調査対象母集団では10人に8人がデスクトップ、あるいはノートパソコンを持っている(共有含む)。また保有していない20%の中で2/3の人は、家族などが所有権を有するパソコンを介して、インターネットへはアクセス可能だと答えている。要は「インターネットしたいので、パソコンを貸して下さい」という利用スタイルである。
保有率には属性別による差異はあまり無い。歳を経るほど高いのは子供の好奇心に応じて親が共有化を許したり、買い与えたりする結果と思われる。また親の学歴が高いほど、世帯年収が高いほど保有率も高いが、これは世帯の裕福さとの連動性が推測される。
やや意外なのは男性よりも女性の方が所有性向が高いこと。子供は男性より女性の方が先に精神的に大人になりやすいものだが、それに伴い知識欲も増し、知識欲を充足するツールとなるパソコンへの要望も強まるのだろうか。
挙げられている数字が少数なのでグラフ化は略するが、本文では「パソコンを持っている、あるいは自宅でインターネットにアクセス可能な環境にある人のうち71%は、親や兄弟など家族との共有状態としてパソコンを所有している」「共有率は低年齢ほど高く、12-13歳では81%、14-17歳では66%、17歳だけなら51%」という記述がみられる。子供達の多くは自分の稼ぎやこづかいでパソコンを買えるほどの財力を持たず、家庭内で、あるいは兄弟姉妹の共有端末としての使用が多いようだ。そして歳を重ねるとそれなりに金銭に余裕が生じ、自前のパソコンを購入する事例も増えてくる次第。
もう一つのグラフは、パソコンと同様の条件におけるタブレット機の所有性向。
↑ タブレット機所有性向(共有含む)(米、2012年7月、12-17歳)
原文ではタブレット機の具体例として、iPad、サムスンのギャラクシー、モトローラのXoom、さらにはKindle Fireが挙げられている。これらの端末を親などとの共有も含めて所有している子供は23%。ほぼ1/4に達している。
タブレット機はパソコンと比べ、ややぜいたく品の傾向が強いようだ。世帯年収、そしてそれと多分に比例関係にある親の学歴による差異が大きく、高低区分間では2倍近い差が出ている。また男女別では女性の方が所有性向が高い結果が出ているのも興味深い。オシャレ感が強く、女性の目を引き付けやすいのだろう。
なお類似調査では、成人(18歳以上)のタブレット機は25%に達していると原文では記されている。12-17歳の子供も多分に親と共有することで、タブレット機でも高い所有率を占めるに至っていると考えれば、道理は通る。携帯電話同様、タブレット機の加速度的な普及ぶりには、驚くばかりである。
■関連記事:
【Kindle Fire約1割…米タブレット機のシェアなど】
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