「ネットへのアクセスは携帯メイン」は全体の25%…米未成年者のインターネット利用性向
2013/03/19 08:45
アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2013年3月13日、アメリカの未成年者(12-17歳)におけるデジタル技術を活用したツールの利用傾向に関するレポート【Teens and Technology 2013】を発表した。同国内のデジタル化の進展具合や今後の市場形成予想において、有益なデータが多数盛り込まれている内容となっている。今回はその中から、主にインターネットとモバイル系端末との関係について見ていくことにする。
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今調査は2012年7月26日から9月30日にかけて、RDD方式で選ばれた電話を有する12-17歳の若年層及びその保護者に対し、電話インタビュー形式(英語とスペイン語)で行われたもので、有効回答数は802人(若年層数。同数の保護者回答者もいる)。各値は国勢調査などによるウェイトバックが行われている。
まずは「時折」以上の頻度、つまり「ごくまれにしか使わない」では無く、ある程度は常用しているレベルでインターネットにアクセスしている人の割合。アクセスする機材はパソコンに限らず、携帯電話やタブレット機などまで含まれる。
↑ インターネット利用性向(米、2012年7月、12-17歳)
多少ながらも女性より男性、低年収世帯より高年収世帯、親が低学歴より高学歴、都心部より地方の方が、高い値を示している。しかしその差は数%ポイントで、ほとんど誤差に等しい。12歳-13歳においてですら、93%の人が時折以上の頻度でインターネットを利用していることになる。「ネットの社会への普及」とはまさにこのような状況を指すのだろう。
続いてモバイル端末、具体的には一般携帯電話やスマートフォン(両者を合わせて原文ではCell Phoneと表記している。単に「携帯電話」と表記した場合はこの双方を意味する)、そしてタブレット機でインターネットを利用しているか否か。こちらも「時折」以上の頻度の場合のみ回答している。
↑ 携帯電話やタブレット機でのインターネット利用性向(米、2012年7月、12-17歳)
印象的にはインターネットそのものの利用性向から20%ポイントほど引いた感じ。もちろんインターネット利用性向はモバイル端末でのアクセスと、パソコンによるアクセスの重複回答なので、「パソコンによるインターネットへのアクセスは20%程度」というわけではない(パソコンとモバイルの双方でアクセスしている人が多分にいる)。詳しくは後日あらためて解説するが、この「インターネットへのアクセス」には自分自身の所有物としての携帯電話なりタブレット機だけでなく、家族(例えば親)から借りて、あるいは共用物としての端末を使ったアクセスも含まれる。特に幼い世代、12-13歳はその割合が比較的高い(携帯電話は持っていても、インターネットへのアクセス機能が無い場合もある)。
最後のグラフは一つ目と二つ目のと合わせ見ると、より面白みを持つようになる。
↑ インターネットの利用は携帯電話経由がメイン(米、2012年7月、12-17歳)
今調査対象母集団のうち1/4はインターネットを利用しており、しかも携帯電話でのアクセスがメインということになる。世代別では高年齢の方が、男女別では女性が圧倒的に比率が高い。利用スタイル、そして子供自身の立場で考えれば、親などの監視を受けずに利用できる携帯インターネットの方を好む場面が多いのも理解はできる。特に女子14-17歳は1/3以上が「インターネットへは主に携帯電話でアクセスしている」と答えている。
やや不可思議に思えるのは、インターネットや携帯電話などでの傾向とは逆に、世帯年収・親の学歴が高いほど、「携帯電話がメイン」の回答率が下がること。しかしこれは「世帯が裕福なほど子供でも個別のパソコンなどを買ってもらえる」、そして「親の学歴と世帯年収は多分に比例関係にある」事実から、理解はできるはず。要は子供にとって携帯電話によるインターネット環境は、パソコンによるネット利用の代替的な意味合いも多分に持っている次第である。
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