賞味期限切れを起こした備蓄品、もっとも多いのは「水」

2013/03/17 10:00

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水キリンビバレッジは2013年2月27日、2011年3月に発生した東日本大地震・震災(以後「震災」)後における水分補給やストックに関する調査結果を発表した。それによると小学生の子供を持つ母親から成る調査対象母集団においては、備蓄飲食料品(備蓄品)で(賞味)期限切れを起こしたものとしてもっとも多いのは「水」だった。全体で14.6%の人が「消費する前に期限が切れてしまった経験がある」と答えている。2012年に同様の調査をした結果と比べると全項目で回答率が減っており、一因として備蓄慣れが進んでいることが推測される(【発表リリース】)。



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今調査は2013年2月1日から5日にかけて、小学生の子供を持つ母親に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は800人。対象者年齢は30-49歳。

先日【缶詰やレトルト4割強、お米は3割超…飲食料品の備蓄率、やや低下する傾向に】でも記したが、食料品などの備蓄比率は震災から2年を経て、やや低下する動きを示している。

↑ 日常的に備蓄しているもの(複数回答)(再録)
↑ 日常的に備蓄しているもの(複数回答)(再録)

一方、ロウソクやマッチと違い飲食料品には賞味期限があり(※消費期限もあるが、消費期限が記されるような食品は備蓄には向かない)、それを過ぎると備蓄品としての価値は下がる。いざという時の消費においてリスクが生じるからだ。従って極力賞味期限を守り、適時新しいものに切り替える必要がある。

しかし備蓄品の賞味期限は一様では無く、よほど適切な管理をしていないと期限切れを起こしがち。今件ではそのような期限切れを起こしたか否かを尋ねている。

↑ 消費する前に期限が切れてしまった備蓄品はあるか
↑ 消費する前に期限が切れてしまった備蓄品はあるか

↑ 期限切れを起こしたことのある食品(2012・2013年で上位5位に入っているもの)
↑ 期限切れを起こしたことのある食品(2012・2013年で上位5位に入っているもの)


回答率そのものが2割足らずと低めだが、これは賞味期限切れそのものが起きにくいだけでなく、「調査対象母集団全体」に対する割合なのも原因の一つ。元々備蓄をしていない人も答えており、備蓄が無ければ当然賞味期限切れの経験もありえない。

さて2012年時点では備蓄率は高かったが、同時に賞味期限切れを起こす比率も比較的高め。カップラーメンやお菓子など比較的短いものだけでなく、レトルト食品や缶詰などでも賞味期限切れを起こした経験のある人が1割を超えている。肉や野菜類などの生鮮食料品の値が低いのは、そもそも長期保存を考えていない他に、備蓄品として用いているのが少数派だから。

備蓄用の水も不足また2012年と2013年で比較すると、いずれの項目も期限切れ率は低下している。もっとも「備蓄そのものをしていない」率も各項目で上昇しており、それを差し引くと「期限切れに対する留意は少々ながらも高まっている」言い換えれば「備蓄品を無駄にする人は少し減っている」という位の表現がちょうど良さそうだ。例えば調味料の期限切れ率は半減しているが(10.8%→4.5%)、備蓄率もそれに近い減少を示している(32.8%→18.6%)ため、実質的には「備蓄している人における、期限切れを起こす率の減少率はそこそこ」と見るべきである。

気になるのは水の回答率。備蓄率そのものがさほど下がっていないこともあるが、期限切れを起こした率もさほど変化が無い。このパターンはレトルト食品でも同じ。「保存しやすい」「長持ちしそう」というイメージがあるため、つい放置し、期限切れを起こしてしまうのかもしれない。


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