単にアニメを観るより動画共有サイトで動画を視聴する方が好まれる傾向

2013/03/04 06:55

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ニコ動東京工芸大学は2013年2月26日、音楽の視聴性向やいわゆる「ボーカロイド」に関する調査結果を発表した。それによると音楽を聴くことが好きな若年層においては、「アニメを視聴する」以上に「動画共有サイトで動画を観る方」が好きな人が多いことが分かった。また動画視聴に関しては、女性よりも男性、より若年層の方が高い好意率を示している(【発表リリース、PDF】)。



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今調査は2013年1月28日から30日にかけて、「音楽を聴くことが好き」とした12-39歳の男女に対し、携帯電話を用いたインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は1対1、世代構成比は10代・20代前半・同後半・30代前半・同後半で100人ずつ均等割り当て。調査実施機関はネットエイジア。「音楽試聴が好き」との条件付けのため、世間一般の調査対象母集団と比べ、回答には多少の音楽性向における偏りが生じていることを留意する必要がある。

VOCALOID(ボーカロイド)とは、ヤマハが開発した音符と歌詞を入力するだけで歌声を作成することができる歌声合成技術、および、その技術を応用したソフトウェアの総称。さらにはその技術が用いられている商品に設定されているキャラクター(例えば初音ミク)を指す場合もある。

ボーカロイドの普及に関連してよく語られる、ソーシャルメディアの浸透度・利用性向に関し、マルチメディア系の行動への好意率を尋ねた結果が次のグラフ。単にアニメを視聴する以上に、動画共有サイトでアニメも含めた多様な動画を視聴する行為の方が、好意率が高い結果が出ている。動画共有サイトではアニメ以外の動画も視聴できるので、アニメを好きでない人も好意を持ちうるのは当然の話ではある。

↑ 次の行為はどの程度好きか
↑ 次の行為はどの程度好きか

ソーシャルメディアの情報関連の回答項目では、興味をそそられる結果が出ている。情報を手に入れる、つまり受け手側としては8割近い人が好意を示しており、これはパソコンゲームへの好意度すら超えている。しかし自ら情報発信をする側となると、半数にも満たない結果に終わる。情報の受け手としてはソーシャルメディアが好きだが、自ら積極的に参加するとなるとしり込みしてしまう姿勢が見て取れる。

今件項目ではもっとも多くの人が好意を寄せた「動画共有サイトでの動画視聴」だが、世代などでは大きな違いが見られる。

↑ 動画共有サイトで動画視聴は好きか
↑ 動画共有サイトで動画視聴は好きか

「好き嫌い」の二択という観点なら世代・性別でほとんど差異はない。しかしより強度の高い「好き」の度合いでは「女性より男性」「より若い世代」の方が高い値を示している。動画共有サイトがとりわけ若年層に高い支持を集めている実態が見て取れる。この傾向は以前【YouTube、ニコ動、FC2動画…オンライン動画御三家の利用者世代構成比を探る】でも記したが、日本の動画共有サイトでは全般的、特にニコニコ動画に顕著であり、納得のいく結果といえる。

「動画共有サイト」というソーシャルメディアが誕生してからまだ歴史が浅いため、今の熱狂的な支持層である若年層が歳を重ねた際、その世代でもなお支持を続けるか否かは未知数といえる。歳と共に「醒める」可能性も多分にあるからだ。今件はあくまでも「音楽視聴が好き」という限定された条件下での結果だが、多分に汎用性はある(シンプルに「音楽試聴が好きか嫌いか」と聞かれ、「嫌い」と答える人は少数派であるはず)。今後の動向も気になるところだ。



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