乗用車は3888.2万台、軽自動車は3352.5万台…主要車種別の自動車保有台数(最新)

2023/12/27 04:30

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2023-1227国土交通省は2023年9月29日に、2022年度(2022年4月-2023年3月の)自動車輸送統計年報を発表した(【交通関係統計資料内最新統計表】)。今回は最新の年報を含む過去の値などを逐次抽出し、日本国内における乗用車、軽自動車、小型二輪、さらにはトラック・トレーラー、バスといった主要区分別の自動車の保有台数(登録台数)の動向を確認していくことにする。

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乗用車は漸減から横ばい、軽自動車は増加中


取得するデータは国土交通省公式サイトの【交通関係統計資料内最新統計表】。ここから「自動車輸送統計調査」の「年報」を選び、各年の「統括表」から「付表(2) 総括表 自動車保有台数及び生産台数の推移」などから適切なデータを選んで抽出していく。なお車種の区分に関しては、詳しくは【車種別分類表】にある通りで、道路運送車両法施行規則第2条に定める種別に従っている。今件は自家用だけでなく営業用も含めた値。また各年に購入された需要台数ではないことに注意。

まずは単純に車種別の登録数を折れ線グラフ、そして年度毎の積み上げグラフ化を行う。

↑ 主要車種別自動車保有台数(折れ線グラフ、万台)
↑ 主要車種別自動車保有台数(折れ線グラフ、万台)

↑ 主要車種別自動車保有台数(万台)(2022年度)
↑ 主要車種別自動車保有台数(万台)(2022年度)

↑ 主要車種別自動車保有台数(万台)(積み上げグラフ)
↑ 主要車種別自動車保有台数(万台)(積み上げグラフ)

乗用車は1990年代中盤まで右肩上がりだったもののその後横ばい、2005年度前後以降は漸減傾向にある。一方で軽自動車は1980年度以降一貫して上昇を見せており、このままでいけばあと10年から20年で両者の保有台数上の立場は逆転する可能性が高い。トラック・トレーラーは漸減状態だったが、2013年度前後からはほぼ横ばいに推移。

そしてバイクや特殊車両まで全部まとめた保有台数全体としては、2006年度をピークに減る気配を見せていた。ところが軽自動車の漸増が貢献する形で、2011年度以降は再び増加しつつある。

↑ 主要車種別自動車保有台数(前年度比、万台)(2022年度)
↑ 主要車種別自動車保有台数(前年度比、万台)(2022年度)

2022年度ではバスと乗用車で前年度比がマイナス。一方で軽自動車が大きなプラスを示し、全体のプラス化に貢献する形となった。

前年度比で動向を確認する


続いて各車種の変移が分かりやすいように、前年度比を折れ線グラフ化する。計測開始初期の増加率が著しく、ややいびつな形となったので、対象期間を1980年度以降に限定したものも併記する。

↑ 主要車種別自動車保有台数(前年度比)
↑ 主要車種別自動車保有台数(前年度比)

↑ 主要車種別自動車保有台数(前年度比)(1980年度以降)
↑ 主要車種別自動車保有台数(前年度比)(1980年年度以降)

1990年度に小型二輪の特異な減少が確認できる。これは馬力自主規制によるところが大きい。また1996年度の特殊車両の減少は、いわゆる「第一次排ガス規制」によるものと考えられる。

軽自動車や小型二輪は増加率そのものは減っているが、台数はおおよそ増加を維持(前年比プラス圏をキープ)している一方、トラック・トレーラーは1990年度代半ば、乗用車は1990年度あたりにはすでに増加率が縮小しはじめ、2005年前後からマイナスに転じていることが確認できる。

2010年度では特殊用途車の「前年度比」の大きな上昇が目にとまる。特殊用途車には農業用車両以外にクレーン車・ブルドーザーなどの建機も含まれるため、震災の影響に伴う特別需要の動きとの推測もあったが、月次データを参照する限り増加は2011年2月から生じているため、震災とは直接の影響は無い。2011年4月1日から施行された「大気汚染防止法」に伴う需要によるものと考えれば道理は通る(参考:【大気汚染防止法の改正について(平成23年4月1日施行)(広島市)】)。

直近年度の2022年度では2021年度に続き、小型二輪の大幅増加が確認できる。新型コロナウイルスの流行により、公共交通機関での移動を避け、個人での移動が重視されたのが原因だろうか。

変わりゆく「自動車といえば主に何?」


最後は把握されている主要車種全体に対する、個別車種比率の推移。

↑ 主要車種別自動車保有台数(構成比)
↑ 主要車種別自動車保有台数(構成比)

↑ 主要車種別自動車保有台数(構成比)(2022年度)
↑ 主要車種別自動車保有台数(構成比)(2022年度)

自家用自動車の普及に伴いトラック・トレーラーの比率は減り、乗用車は増えていく。軽自動車は1970年代-1980年後半にかけて一度シェア上昇の動きを見せ、その後今世紀に入ってから再び上昇を開始している。昨今ではトラック・トレーラーと乗用車がともに減り、軽自動車が増加の一途をたどっている。直近の2022年度時点で乗用車は47.2%・軽自動車は40.7%。乗用車の50%割れは1974年度に47.4%をつけたのを最後に、2013年度に39年ぶりで示してから、今年度で10年連続のものとなる。

このように、世の中に出回っている自動車の種類別比率は大きな変化を見せつつある。ライフスタイルの変化(外出機会が減る、遠出をしない)の他に、人口がほぼ横ばいなのに対して世帯数が増加し、一世帯あたりの平均人数が減ることで、「自家用車も小型で十分」「移動手段は必要だがコストパフォーマンスを考えれば乗用車は手に余る」との需要の変化が、特に乗用車と軽自動車の間で見られる割合の変化をもたらしたと考えれば、十分納得もいく。法令や社会情勢の大きな変化がない限り、この動きはしばらく継続するに違いない。


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