7.2%は平日一人で朝食を食べている…小中学生の食事やテレビ時における家族との触れ合い状況(最新)
2024/12/06 02:38
食事は単に栄養分となる食品を摂取するだけでなく、他人とともに食卓を囲みコミュニケーションを楽しむ機会としても有益な生活行動である。しかし昨今では保護者の多忙さなどから子供が一人で食事をする機会も生じているとのこと。今回は総務省統計局が2022年8月31日以降順次結果を発表している2021年社会生活基本調査の結果を用いて、10-14歳(学校種類では小学高学年から中学に該当)における、食事を中心とした主な生活行動に関して、誰と一緒に行っているかを見ていくことにする(【令和3年社会生活基本調査】)。
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今調査の調査要綱は先行記事の【ボランティア活動の実態(最新)】を参照のこと。
今件では対象を10-14歳とし、日常生活行動(主行動だけでなくその他の行動も同時に行っている同時行動も合算している)に際し、誰と一緒に行っているか、その行動者率を算出している。例えば平日の「一人で」「朝食」は7.2%と出ているので、対象者のうち7.2%は回答期日の平日において、朝食を一人で食べた経験があることになる。複数回答形式なので、この7.2%は平日はずっと一人で朝食を食べているわけではないことに注意。
↑ 10〜14歳の主要生活活動における行動者率(複数回答、同一行動時にいた主な対象別、平日)(2021年)
子供達の多くは母親とともに朝食をとっている。父親との割合は4割足らず。早朝出勤や出張などで、時間をあわせにくいのだろう。また「その他家族」が多いが、これは祖父母以外に兄弟姉妹が考えられる。一方昼食はほとんど該当回答無し。これはグラフ中に吹き出しで説明のある通り、学校で給食、あるいは手持ちのお弁当を食べるため(つまりクラスの人達との食事となる)。昼食そのものを抜いているわけではない。
夕食も朝食とあまり大きな変化はない。少々比率が高い程度。父親が多忙で平日の食事時に顔を合せられない世帯は、6割程度と考えればよいだろうか。父親に関しては「テレビ」項目もほぼ同じ比率を示しており、子供の生活活動時間帯では、その6割程度は父親とほとんど顔を合わせられない状態と推測できる。また、「テレビを一人で見る」子供が1割近くいるのも気になるところ。
これが土曜日となると、状況は変化する。
↑ 10〜14歳の主要生活活動における行動者率(複数回答、同一行動時にいた主な対象別、土曜)(2021年)
朝食時に一緒にいる人だが、むしろ一人で食べる割合は増加し、父親・母親の同居率も減る。子供にとって土曜の朝食は、むしろ平日より寂しさを増しているようだ。昼食は自宅でとることになるわけだが、これも朝食と大きな違いは無し。むしろ朝食より少ないほど。時間を合せて昼食をとる機会が少ない次第。
大きな変化を見せるのが夕食。父親の同居率が5割強と跳ね上がり、母親も平日より高い値を示す。時間を取りやすい土曜日は、せめて夕食は皆で食卓を囲もうとの意思が見えてくる。「テレビ」項目も父親・母親、さらには「その他家族」も併せ、平日より高い値。テレビを介して家族の団らんのひと時を過ごそうとの考えによる結果だろう。
日曜日も大勢としては土曜日とほぼ同じ。
↑ 10〜14歳の主要生活活動における行動者率(複数回答、同一行動時にいた主な対象別、日曜)(2021年)
ただし土曜の結果とよく見比べると、例えば朝食の場合は母親や父親の同居率が土曜よりも減り、その分「その他家族」が増える、夕食では父親や「その他家族」の値が土曜よりさらに増えるなど、土曜以上に「家族皆で食事を」の環境を創ろうとしているようすがうかがえる。
他にも例えば「平日でも1割強の子供は母親と一緒にゲームをする。『その他家族』もほぼ同率なので、平日は父親以外の家族皆でゲームをしているらしい」「日曜でも2割強の子供は一人でテレビを見る」など、日常生活上の子供の行動様式が見える結果が出ている。今回は他の調査や事象で取り上げられやすい生活様式に限って値を抽出したが、気になる人は調査結果をたどり、他の行動について詳しく調べてみるのも面白いだろう。
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