夕食しながらテレビを見る人26.9%(2011年社会生活基本調査)
2013/03/02 15:00
総務省統計局は2012年7月13日から12月21日にかけて、2011年社会生活基本調査の結果を発表した。そこで【ボランティア活動の実態(2011年社会生活基本調査)】を手始めとし、気になる要素を随所から抽出し、必要な時には追加資料やデータベース上の詳細値を使って補足した上でグラフ化し、社会生活の基本的な面における状況の把握を行っている。今回はいわゆる「ながら」行動について、「テレビ」にスポットライトを当てて見ていくことにする(【平成23年社会生活基本調査(総務省)】)。
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今調査は1976年以降5年おきに行われているもので、1日の生活時間の配分と過去年間における主な活動状況などを調べている。そしてその結果は仕事と生活の調和の推進や男女共同参画社会の形成、少子高齢化対策などの各種行政施策の基礎資料として役立てられることになる。
今「社会生活基本調査」で取り扱われている各種行動は、原則として「主行動」が回答項目とされている。たとえばある時間に勉強をしていたが、同時にラジオを聴いていた場合、その時間帯での行動は「勉強」(主行動)であり、「ラジオ視聴」(同時行動)はカウントされない。今回は通常カウントされない「同時行動」のうち、テレビにまつわる動きを見ていくことになる。
まずはテレビそのものの行動時間だが、土日まで含めた週平均の行動時間は2時間19分(他の調査項目ではこの値がカウントされている)。これに「他の行動がメインだが、テレビも見ながらのものだった」という「同時行動としてテレビを見ていた」平均時間は40分となる。
↑ テレビを見ていた時間(2011年、週全体平均)
「テレビを見る」という明確な意識を持って視聴していた時間が7割強に対し、他の事をしていてついでにテレビも視界に収めているのが2割強。今調査では原則的に「主行動でないとその行動の時間として回答しないように」と設定しているが、調査によってはこの「同時行動」も「テレビを見ている時間」と数えている可能性もある(原則から外れるので、その時は今件のように明記がなされる)。
「テレビを見る」ことを主行動としている際に、同時行動の上位として挙げられているのは「新聞・雑誌」「軽飲食」。テレビを見ながら雑誌や新聞を読んだり、お茶菓子をつまんでいる状況は容易に想像できる。
それでは逆に、何か別のことをしながらテレビを見るのは、どのような場面で行われるだろうか。資料には「同時行動」の上位2位までが挙げられているので、それらのうち「テレビ」があるものを順次取り上げ、整理したのが次のグラフ。
↑ テレビを「同時行動」の上位2位内に持つ生活主行動
これは、例えば一番左の「夕食」の場合、「夕食」をとる人は93.2%で、そのうち26.9%は「夕食」をとりながら「テレビ」を見ていることを意味する。多くの人が「夕食」を筆頭に食事時にテレビを見ていることが分かる。他には「食事の管理」や「身の回りの用事」などでも、高い値で「テレビのながら視聴」が確認できる。
テレビは一方向の、映像と音声を合わせたメディアなことから、「ながら行動」の対象とされやすい。中にはBGM的・環境ビデオ的に点け放しにしている人も少なくない。【「平日に テレビを観ながら 夕食を」約半数が行ってます】などにもあるように、家事や食事の際にテレビをつけることはごく当たり前の行動となっている人も多い。
今回の項目からは「テレビをながら行動の対象としている」人の多さが裏付けられる。特に「食事時にテレビをつけている人」が多いことが再確認できる。見方を変えれば、上記にあるように「主行動」との限定がなされていなければ、テレビ視聴の時間には多分にこれら「同時行動としての」ものが含まれていることを認識しなければならない。
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