「夫婦で名字が異なる場合、その子供にマイナスの影響がある」7割近くが懸念(最新)
2024/06/11 02:37
内閣府は2022年3月25日、「家族の法制に関する世論調査」の結果を発表した。それによると法的に婚姻状態にある夫婦が同じ名字(姓)を名乗らねばならない現行の法令制度に関し、仮に法改正によって夫婦で違う名字を名乗れるようになり、その適用をした場合、その夫婦の子供に何か影響が生じるかについて聞いたところ、「悪い影響がある」と考えている人は7割近くいることが分かった。「特に影響はない」とする人は3割強にとどまっている(【発表リリース:家族の法制に関する世論調査】)。
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今調査の調査要綱は先行記事【「夫婦別姓選択」賛成派は反対派を上回るが、それ以上に同姓・通称使用の法改正派が多数に(最新)】を参照のこと。
その記事で記した通り、夫婦は同じ名字を名乗らねばならない現行法体制に関し、「現行法維持派」は3割近く、「旧姓選択可能に法律変更派」も3割近く、そして「通称選択可能に法律変更派」は4割強を示している。
↑ 選択的夫婦別氏制度に関する意見(2021年12月)(再録)
仮に旧姓選択が可能となるように法律が変更された場合に生じるものと予想される、「名字が異なる夫婦の間にある子供」に、何か影響が生じ得るのか否かとの話。各回答者の予想・想定の枠を超えたものではないが、全体では69.0%が好ましくない=悪い影響がありうると答えている。それに対し影響はないだろうとの意見は30.3%。
↑ 夫婦の名字が違う場合、夫婦の間の子供に何か影響が出てくると思うか(2021年12月)
具体的な「好ましくない影響」について今設問では設定されていないが(別設問で尋ねられている)、7割近くの人は悪い影響があると考えている。男女別ではほとんど差はないが、結婚状態別では未婚で同居パートナーあり(いわゆる内縁状態)にある人の「影響はない」とする値が大変目立って見える形に見える。あるいは回答時点ですでに子供がいて、実体験として問題なしと判断しているのかもしれない。
また、経年別変化を見ても大きな動きはになく、悪影響が生じると考える人が多数を占めていることが確認できる。あえていえば直近年で増加の動きを見せたように見える。
↑ 夫婦の名字が違う場合、夫婦の間の子供に何か影響が出てくると思うか(全体、経年推移)
子供の希望により夫婦が別姓化の選択を望む状況は考えにくい。多分に夫婦側の希望で行われうる。だが、夫婦の望みが子供にマイナスを与える可能性があるのなら…と、別姓を望む夫婦においては(現行では法律上は不可能で、いわゆる「内縁の夫婦」の手法を用いねばならないが)、子供を起因とするジレンマを抱えているのかもしれない。
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