男性より女性、無職な人ほど早めに夕食を取る傾向(最新)
2024/12/02 02:35
夕食は一日の食事の中でも一番豪華な料理を楽しむことができ、また家族団らんの場としても重要な時間に違いない。今回は男女、就業状態、そして直近と5年前における夕食の開始時刻の変移を確認する。生活様式で大きく変化するため、あくまでも同一属性内の平均的な値ではあるが、ライフスタイルの動向を知る上で傾向を知るのは有意義に違いない(【令和3年社会生活基本調査】)。
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夕食開始時刻からライフスタイルが見えてくる
今調査の調査要綱は先行記事の【ボランティア活動の実態(最新)】を参照のこと。
まずは直近2021年における平均夕食開始時刻(16時以降・24時前に始まる最初の食事開始時刻。例えば昼飯を抜いて早めの夕食をとった場合でも、この時間に当てはまれば夕食と見なす)だが、平日は男性が19時8分、女性が18時49分と、女性の方が約20分早い。朝食でも同様の傾向が見られたが、これは夫の帰りが遅くなる場合に、妻が先んじて子供と一緒に食事をとる事例が多いからだと考えられる。
↑ 男女・曜日別夕食開始時刻(時:分)(2021年)
これが土日になると男性は約20分、女性は10分ほど開始時刻が早くなる。土曜より日曜の方がさらに早くなるのは、土曜も出勤・登校する人がおり、その場合は夕食までのスケジュールが平日に近いものとなるため。また、日曜は夕食を早めに済まし、翌日からの一週間に備えてのんびりしたいとの思惑もあるのだろう。
これを就業状態別に見ると、男女とも「有業者は平日ほど遅い」「無業者は平日土日の差があまり無い」との動きが見られる。見方を変えれば、夕食開始時刻は多分に就業時間(厳密には就業終了時間)に左右されることになる。
↑ 普段の就業状態・曜日別夕食開始時刻(男性、時:分)(2021年)
↑ 普段の就業状態・曜日別夕食開始時刻(女性、時:分)(2021年)
多くの人が休みを取る日曜でも、有業・無業間に20分強の差が出るのは「日曜勤務の人」「平日の習慣上」双方の理由によるものだろう。あるいは無業者は高齢層が多いことから、早く就寝するために夕食も早めに取る傾向があるのかもしれない。
5年前と比較すると
今調査は5年間隔で実施されているため、当然前回調査分となる5年前(2016年)の値も抽出できる。そこで5年間の変移を計算したところ、男女とも早まる傾向が確認できた。
↑ 男女・曜日別夕食開始時刻(2016年から2021年への変化、分)(2021年)
就業者の残業などが減ったのか、あるいは極力家族そろって夕食を取るよう努力を増したのか、それとも夕食後の団らん時間を少しでも増やすためか。あるいは新型コロナウイルスの流行による在宅時間の増加で、家族で夕食を取れることが多くなり、子供と併せるために早めにしているのかもしれない。
これをさらに就業状態別に細分した結果が次のグラフ。
↑ 普段の就業状態・曜日別夕食開始時刻(2016年から2021年への差異、男性、分)
↑ 普段の就業状態・曜日別夕食開始時刻(2016年から2021年への差異、女性、分)
特段の法則性のようなものは無いが、女性の平日を除けば、有業者の方が無業者よりも前倒しの度合いが大きい。残業が減った以外に、新型コロナウイルスの流行により在宅勤務となり、帰宅時間そのものが無くなった人がいるのが要因なのだろう。
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