テレビ周りでSNS利用は2割強、感想共有や情報入手が目的

2013/02/18 06:55

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テレビ観戦NHK放送文化研究所は2013年2月7日、「デジタル時代の新しいテレビ視聴(テレビ60年)調査」の概要データを公開した。それによると調査対象母集団においては、テレビ関連情報や感想をSNS(ソーシャルメディア。今件ではFacebookやmixiの他、LINEやツイッターのようなミニブログ・チャット系のも含む)で読み書きする人は2割強であることが分かった。する人の理由としては、上位に「他人の感想を知ることができる」「同じ好みや趣味の人と情報や感想を共有できる」などが挙げられている(【発表リリース一覧ページ】)。



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今調査は2012年11月17日から25日にかけて全国の16歳以上の日本国民より住民基本台帳から層化無作為二段抽出で抽出した3600人(外国人と思われる人は除く)に対し、配布回収法で行われたもので、有効回答数は2506人。男女比・世代構成比は非公開。

かつてはテレビ番組に関する情報は直接口頭でやり取りされ、話のネタとされていた。学校やサークル、職場の休み時間などでの会話において、有名な番組の感想を述べ合う場面は何ら珍しいものではなかった。しかし現在ではインターネットを用いたコミュニティサービスの普及で、その「テレビ番組に関するおしゃべり」を、不特定多数・あるいは一定制限の中で、物理的距離を気にせず行うことができる。非リアルタイム系のサービスならば、ある程度ではあるが時間の差すら超越できる(例えば特定のドラマに関する意見交換の場なら、前の放送内容でも十分話題に出来るネタとなる)。

今件ではテレビ(番組)に関するSNSの利用頻度を尋ねているが、利用者は22%。週一以上に限れば15%でしかない。

↑ テレビに関するSNSの利用頻度
↑ テレビに関するSNSの利用頻度

現時点では具体値は未公開だが、本文では「30代以下で利用する人が多く、男女16-29歳では約4割が『週に1日以上』利用している」「読み書きの際、最も利用する機器はパソコン(43%)とスマートフォン(40%)が同程度で多かった」という興味深い動きも確認できる。若年層がテレビと連動してSNSを多用するのは容易に想像できるが(【スマホユーザーの3割強は「テレビを観ながらいつも操作している」】)、その利用時に多分にスマートフォンが使われている実態は注目に値する。具体的なデータを知りたいところだ。

さてそれでは、SNSにテレビ関連の読み書きをする人は、どのような理由によるものだろうか。7つの具体的項目を掲げ、同意度合を聞いた結果が次のグラフ。

↑ テレビに関するSNSの利用理由(SNSでテレビについて書き込みをすることがある人)
↑ テレビに関するSNSの利用理由(SNSでテレビについて書き込みをすることがある人)

肯定派がもっとも多いのは「他人の感想を知ることができる」、ついで同率で「同じ好みや趣味の人と情報や感想を共有できる」「面白い番組を知ることができる」「番組や演出者の情報が手に入る」が続いている。番組そのものの視聴一体感というよりは、情報の共有感を主軸にとらえているようだ。つまり「番組を一緒に見た雰囲気が楽しい」ではなく「番組を通じて情報交換ができるのが良い」という次第。番組に対する造詣を深められる、と考えることもできる。

食事中の会話こちらも現時点では数字は未公開だが、本文では「若年層は、『自分の感想を他の人に伝えることができるから』『みんなでテレビを見ている気がして楽しいから』などが全体より高く、コミュニケーションを理由に挙げる人が多い傾向があった」と解説している。テレビ番組そのものの造詣よりも、番組をネタとしたコミュニケーションを楽しみたいというわけだが、この点では学校やサークル内での「テレビを元ネタにしたおしゃべり」と何ら変わりはない。場が直接の対面か、ネット上なのかの違いでしかないと考えれば、道理は通る次第である。


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