数週間距離を置いた経験を持つ米Facebook利用者、その理由は……

2013/02/15 11:30

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Facebookアメリカの調査機関【Pew Research Center】は2013年2月5日、ソーシャルメディアFacebookの同国における利用動向に関する報告書【Coming and Going on Facebook】を発表した。今回はその中から「現Facebook(FB)利用者のうち過去に何週間かFBから離れていた経験を持つ人における、距離を置いた理由」について見ていくことにする。



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今調査は2012年12月13日から16日にかけてアメリカ合衆国内に住む18歳以上の男女に対し、電話インタビュー形式(英語)で行われたもので、有効回答数は1006人。固定電話で回答した人は601人、携帯電話で回答した人は405人(そのうち191人は固定電話無し)。統計結果は国勢調査に基づきウェイトバックが行われている。

世界最大級のソーシャルメディアとして認知度と実績を積み増ししたFacebook。当初は「英語圏サービス、しかも実名主義は日本にはなじまない」と言われていたが、昨今では浸透度を深め、ごく普通に用いられるようになった。一方でFB先進国ともいえるアメリカでは、いわゆる「FB離れ」「FB疲れ」的な問題もよく耳にするようになった。

今調査では詳細データは公開されていないが、次のような話が文面で語られている。

・アメリカの大人のうち67%はFacebookユーザー。
・Facebookユーザーの61%は過去において、自発的に数週間FBから離れたことがある(今件記事対象項目)。
・インターネットユーザーでFB非利用者のうち20%は、かつてFBユーザーだった経歴を持ち、「もう使わないだろう」としている。
・FBをしていないネットユーザーの8%は、将来FBにアカウントを持つことに興味を覚えている。

普及率が高いとはいえ、非利用者のうち利用検討者が8%とは、「伸び代」が随分と狭まっているように見える。

さてこれらの話のうち「FB利用者だが、過去にFBから離れた経験を持つ61%の人」に対し、「なぜ数週間距離を置いたのか」、その最大の理由を聞いた結果が次のグラフ。もっとも多くの人が答えたのは「忙しかった・利用する時間が無かった」だった。21%の人が回答している。

↑ 何故数週間FBから離れていたのか(現在のFB利用者のうち、過去に数週間FBから離れた経験を持つ人61%限定)(択一)
↑ 何故数週間FBから離れていたのか(現在のFB利用者のうち、過去に数週間FBから離れた経験を持つ人61%限定)(択一)

ログインしてざっと読みするだけなら数分で済む「はず」だが、それでも多忙なあまり距離を置かねばならない。これは見方を変えると、「一度アクセスしてしまうと、つい時間を費やしてしまう」というFBの魅力(魔力、かもしれない)ともいえる。

次いで多いのは「興味を失った、嫌いになった」。具体的な理由は述べられていないが、あまりにも雑多すぎたりネガティブな話が多かったり、仕様が自分に合わない、類似サービスでもっと自分にマッチしたものを見つけたなど、多種多様な可能性が考えられる。同数意見として挙げられている「掲載内容を無駄なもの、自分とは関係のないものと思えた」も、その一例といえよう。

「ゴシップや否定的な内容のものが多すぎた」もほぼ同率意見。ただし「無駄なもの-」と合わせ、自分のタイムライン上に表示される情報は、自身のアカウントによるフレンド登録者次第でどのようにも変化が生じてくるし、Facebookページも(多くのページでは)自分自身が登録することで初めて利用できるもの。「情報を押し付けられている」という意見は「自分の選択の結果」という側面も併せ持っていることを忘れてはならない。

他方、「あまりにも多くの時間を費やしすぎた」という、反省の弁的な回答もある。回答率は1%だが「ずっと時間を投じるのは嫌だから」も内容としては近い。魅力に魂を吸い取られている自分に気が付き、距離を置かないと際限が無くなるという危機感を覚えたのだろう。

Facebook疲れいわゆる「Facebook疲れ」をそのまま意思表示した「飽きた、疲れた」も7%いる。意外に少ないように思えるが、今件は「現時点でFBを利用している人」であることに注意。「飽きた、疲れた」を実感した上で、そのままFBから離れたままの人は多分にいるものと考えて良い。

中には「旅行」「環境が無かった」「元々」という仕方ない回答もあるが、それら以外では概してポジティブ的な意見(「面白すぎるので自粛しないと」)は最大回答率の「忙しかった・利用する時間が無かった」位で、残りはネガティブな意見が上位を占めている。コミュニティを利用する上では生じがちな問題ではあるが、だからこそ多用されるFBでは発生リスクも高まり、「距離を置く理由」にも成りえるのだろう。


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