若年層で大きく減少、最高齢層が16.6%と大幅増加…mixi動向(世代別アクティブユーザー数、2012年12月)
2013/02/10 10:30
先日【mixiの現状(2012年12月末時点)】でお伝えしたように、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)【mixi】を運営するミクシィ(2121)は直近の四半期決算短信を発表、説明会資料を公開した。その資料を元にした現状分析記事内で、公開されている月間ログインユーザー(月一以上でアクセスしている登録会員。アクティブユーザー。MAU)の世代別比率をグラフ化したが、今回はそれを元にアクティブユーザーの世代別「人数」を算出、その変移を眺めることにした。
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先の記事にもある通り、ミクシィではmixi会員の「月間ログインユーザーベース」における世代別会員比率を公開している。要は「パソコンやモバイルを問わず、月一以上でアクセスするアクティブ会員(事実上の実働会員数)がどのような世代構成なのか、その割合」という次第。ただし今四半期から一般携帯電話(フィーチャーフォン)経由の数はカウント外とされている。つまり、パソコン(PC)、スマートフォン(SP。多分にタブレット機も含む)によるアクセス動向となる次第。非公開ではあるが、現在の一般携帯電話によるmixiの利用者はごく少数と思われる。
↑ mixi会員の年齢階層別比率(2012年12月末)(PC・SP月間ログインユーザーベース)(再録)
また四半期決算短信では別途、万人単位で「月間ログインユーザー」数も公開している。そこでこの2つの値を掛け合わせれば、各期(の末日)におけるアクティブユーザーの世代別概算人数が算出できる。
算出可能なデータが公開されている、直近公開期も含めて7期分につき、人数を求めた結果が次のグラフ(20代未満の区分が今四半期から変更されたため、過去のものについては再計算している)。
↑ mixiの月間ログインユーザー数変移(年齢階層別、万人)(2012年12月末以降はPC+SPのみ)
構成比のグラフで「10代-20代前半が大きく減少、それ以降は増加」との表現を用いたが、絶対人数で見ると「若年層から中堅層までは大きな減少、壮齢層から高齢層は減少、最高齢層が横ばいからやや増加へ」を示しているのが分かる。
この増減を分かりやすくするため、「前四半期比」の動向を棒グラフにしたのが次の図。前述の通り、前四半期は一般携帯込み、直近四半期は無し(数は少ないとはいえ)なため、同じ条件下での比較ではないことに注意してほしい。
↑ mixiの月間ログインユーザー数変移(年齢階層別、前四半期比)
前四半期では「40代以降のみ増加」「40代より前は押し並べて減少」だったが、今回は「50代以上のみ増加、あとは減少」「20代前半までの若年層の減少幅が大きい」と、対照的な動きを示している。前回の記事では「明らかな高齢化現象と見て良い」と表現したが、今回は「見て良い」ですら取り除き「明確な高齢化現象」としなければならない。
もっともこれには、「若年層が利用している一般携帯電話」経由のアクセスを計算外にしたことが、理由の一つに挙げられる。単純に世代別構成比の高齢化が入退会の動向として見られるか否かは、次の四半期決算発表における公開値を待たねばならない。
【大学生のmixi利用者6割強、ただし大部分は利用頻度減少。その理由は……】【大学生が利用するSNS、LINEやツイッター、mixiにFacebook。一番良く使われているのは……?】などにもあるように、いわゆる「若年層のmixi離れ」は単に噂話としてだけでなく、実測値・調査結果と共に、よく語られる話ではある。詳細を見るに、Facebook、そしてツイッターやLINEなどのような(日本における)新興勢力にお株を奪われている形。
直近四半期短信資料の説明からは、広告売上と課金売り上げの比率が逆転した現状において、今後は利用者の数はもちろんだが、今まで以上に質に重点を置いているように見える(「質」には「単価の高い客」の意味も含む)。特に今回一般携帯電話の値を除外したことや、資料上の画像写真のほとんどがスマートフォンによるものである状況を見るに、スマートフォンをメインターゲットとしたビジネス展開・運用をしていくことは容易に想像できる。何しろ現時点ですでに、約6割がスマートフォンとタブレット機経由のユーザーなのだから、当然の話かもしれない。
今件算出した「世代別アクティブユーザー”数”」の考え方は、mixiの動向を推し量る上で重要な値といえる。今後も折に触れ、最新の値を算出し、グラフに反映し、考察を試みることにしよう。
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