男女で寝ている時間はどちらが短い? 睡眠時間の動向(最新)
2024/11/28 02:32
呼吸や食事同様、生命活動の維持には欠かせないのが睡眠。数日の徹夜もできると豪語する人もいるが、身体に大きな負荷が生じていることに変わりはなく、また眠らずに生活を維持することは不可能。人々は日々どの程度の時間を睡眠に費やしているのだろうか。今回は総務省統計局が2022年8月31日以降順次結果を発表している2021年社会生活基本調査から、平均睡眠時間の実情を確認していく(【令和3年社会生活基本調査】)。
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今調査の調査要綱は先行記事の【ボランティア活動の実態(最新)】を参照のこと。
まずは一週間全体における平均的な睡眠時間(平日、土日も合わせて。平日5日分と土曜日、日曜日それぞれ1日分を合わせて平均値を計算)だが、全体では7時間54分、男性は7時間58分、女性は7時間49分。男女別では男性が9分長い。これは平日・休日を問わず、家事などで女性が早起きをするため、必然的に睡眠時間が短くなる結果。年齢階層別に見ると特に30代後半以上で女性の方が短くなり、家事による結果であることが推測できる。
↑ 年齢階層別睡眠時間(週全体、男女別、時間:分)(2021年)
そして睡眠時間そのものは年齢とともに短くなり、男性で50代後半、女性も50代後半が一番短く、それ以上では少しずつ長くなっていく。男性は70代前半、女性は70代後半となると、睡眠時間が10代前半以来の8時間を超えるようになる。お年寄りは早寝早起きとのイメージがあるが、少なくとも睡眠時間は長くなる。
前回調査の2016年分と比べると、50代までは長くなり、60代以上ではほとんど変わらないようすが確認できる。新型コロナウイルスの流行で、未成年から現役世代において睡眠時間に余裕ができるようになったのだろうか。
↑ 年齢階層別睡眠時間(週全体、時間:分)(2016年・2021年)
全体値は2016年では7時間40分、2021年では7時間54分だったため、未成年から現役世代の延びた分が全体にも大きな影響を与えたことになる。
過去からの睡眠時間推移を男女別に見ると、男女とも短くなっていたが、女性は2006年を底に延びる方向に転じているのが分かる。男女間の差異は2021年では9分だが、これは1986年分以降では最短となる。2021年で男女とも大きく延びているのは、上記でも触れている通り、新型コロナウイルスの流行で在宅勤務者が増え、外出機会そのものも減り、時間に余裕が持てるようになったからだろうか。
↑ 男女別睡眠時間(週全体、15歳以上)
このままの動きが続けば、あと10年か20年で男女間の平均睡眠時間は変わらない結果が出るようになるかもしれない。元々男性よりも女性の方が長生きで、高齢者の数も多く、そして高齢者は睡眠時間が長いことから、女性全体としての平均睡眠時間が延びる傾向にあるのだろう。実際、例えば60代前半に限定して過去からの動向を確認すると、男女ともに確実に減少していた。
↑ 男女別睡眠時間(週全体、60〜64歳)
1日は24時間で固定のため、睡眠時間が減った分、別の行動に時間が配分されていることになる。それだけ時間の経過とともに忙しくなった、あるいは個々の人々において言葉通り「寝る間も惜しんでしたい」事柄が増えているのだろう。直近2021年でこれまでの傾向に反して延びたのは、新型コロナウイルスの流行によって、忙しさが和らぎ、その分睡眠時間に充てられたからかもしれない。
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