SMS80%、電子メール50%、ネットアクセス56%…米携帯電話利用者の利用傾向
2013/02/12 06:55


スポンサードリンク
今調査のうち片方は2012年8月7日から9月6日にかけてアメリカ在住の18歳以上の携帯電話(一般携帯・スマートフォン双方)に対して行われたもので、有効回答数は2581人。もう片方は2012年3月15日から4月3日にかけて行われたもので、有効回答数は2254人、そのうち携帯電話保有者は1954人。双方調査とも英語・スペイン語で実施されている。電話番号はRDD方式で選択され、結果には2011年分の国勢調査などによるウェイトバックが行われている。
一部は別途の機会で詳細を見るが、今回の2調査における「携帯電話所有者による利用性向」の概要は次の通り。原文では「使ったことがあるか否か」と尋ねているので、利用頻度は関係なく、経験のあるなしの結果。なお設問中には「音声による通話」は無かったことを記しておく(今件がデジタル系の機能利用の調査であると共に、「使うことが当たり前」という認識が多分にあるのだろう)。

↑ 自分の携帯電話で次の行動をしたことがあるか(携帯電話保有者限定)
意外なことにSMS(ショートメッセージサービス。インターネット接続が出来ない携帯電話でも、短いメッセージのやり取りが出来る。日本ではショートメールやCメールなどと呼ばれている)以上に写真撮影機能が使われている。昨今では写真データも送れるタイプのSMSもあるので、あるいはペアでの使用事例もあるのだろう。
そして少々値は落ちるがインターネットへのアクセスが続く。これは多分に「スマートフォン利用者」に近しいと見た方が良い。日本の事情と異なり、アメリカの一般携帯電話はインターネットへのアクセスが出来ないものが多く、人々は得てしてスマートフォンでモバイル端末でのネットアクセスを体験することになるからだ。
今回はこれらの項目のうち、コミュニケーション周りを中心に見ていく。まずはSMS。

↑ 自分の携帯電話でテキストメッセージのやりとり(SMS)をしたことがあるか(米、2012年8月、携帯電話保有者限定)
若年層・高収入・高学歴ほど利用性向が高いのは、デジタル系技術全般の特徴。ただし年収・学歴面では高低間の差があまりない。これはSMSの利用環境を整えるためのハードルが低いから。一方世代別では、必要性や視力・手の器用さなどの点で年齢的な壁もあり、高齢層と他世代との格差が大きいのが目立つ。
続いて電子メール。

↑ 自分の携帯電話で電子メールのやりとり(SMS)をしたことがあるか(米、2012年8月、携帯電話保有者限定)
「携帯電話」を持っていても、それが電子メールを使える端末でない場合もあるため(使える端末の多くはスマートフォン)、全般的に利用性向はSMSよりも低め。そしてハード上の制約もあり、各区分における階層差はSMSの時より大きなものとなっている。例えば学歴の場合、最大・最小の差は3倍近くに達している。なお得てして世帯年収と学歴の挙動は似たようなものとなるが、これは概して高学歴ほど年収も高くなる傾向による(【勉強は大切だということが分かる失業率と収入のグラフ】)。
最後にインターネットへのアクセス。これもスマートフォン利用者と近い値が出ることになる。日本の場合はともかく、アメリカにおいては、非スマートフォンの携帯電話でインターネットへアクセスできる事例はさほど多くない(一部「マルチメディアファン」と呼ばれる類のものなら可能だが、少数派)。

↑ 自分の携帯電話でインターネットへのアクセスをしたことがあるか(米、2012年8月、携帯電話保有者限定)
低年収世帯でやや高めの値が出ているが、動きそのものは電子メールとほぼ同じで、数%ポイントほど底上げされた雰囲気。また見方を変えると、「米携帯電話保有者の6割近くは、自分の携帯電話でインターネットにアクセスした経験がある」ということになる。常時使用率はもっと下の値になるものの、また高齢層の値が低めだが、それらをもってしても驚くべき結果といえよう。
スポンサードリンク
