既卒者を新卒採用枠で受け入れる企業は5割強
2013/01/22 11:55
ライフネット生命は2013年1月15日、新卒採用を実施する組織の採用関係者を対象にした「採用周りの意識調査」の結果を発表した。それによると調査対象母集団(が属する組織)においては、卒業後3年以内の既卒者(未就業者)を新卒採用枠で受け入れる組織は5割強に達していることが分かった。受け入れを検討している、あるいは準新卒扱いで受け入れる組織も2割強ほどある。企業規模別では、大規模企業はやや受け入れ回答率が低いことがうかがえる(【発表リリース「新卒採用関係者の意識調査」】)。
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今調査は2012年10月26日から11月2日にかけてモバイル端末を用いたインターネット経由で、新卒採用を実施する組織の採用関係者に対して行われたもので、有効回答数は1000人=1000組織。所属組織の規模別区分は従業員100人未満が392人・100-1000人が353人・1000人以上が255人。実施機関はネットエイジア。
以前【「新卒でなくとも新卒扱いで応募可能」な企業の動向】でも伝えたが、「青少年雇用機会確保指針」の改正により、「事業主は、学校などの新卒者の採用枠に学校などの卒業者が学校などの卒業後少なくとも3年間は応募できるようにすべきものとすること」という指針が厚生労働省から呈されている。つまり「既卒者(学校卒業後すぐに就職する者以外で、35歳未満かつ卒業後3年未満の者。勤務経験の有無は問わない)は新卒で無くとも新卒扱いにすべし」というもの。また経団連の「新規学卒者の採用選考に関する企業の倫理憲章」(いわゆる「就職協定」に代わるもの)でも同様の内容が示されている。
これについて現状を確認したのが次のグラフ。調査対象母集団全体では28.5%が受け入れる、23.7%が事情によっては受け入れるとあり、合わせて52.2%が受け入れ姿勢を示している。「受け入れ検討」も含めれば59.0%。
↑ 卒業後3年以内の既卒者(未就業者)を新卒採用枠で受け入れるか(単一回答)
さらに完全な新卒扱いではないが、新卒に準じる「第二新卒」などとして受け入れる組織は、検討中も合わせると21.1%。すべて合わせると8割強は何らかの形で「新卒枠で受け入れる」としている。一方「受け入れ予定なし」の組織は19.9%に留まっている。
組織の規模別では従業員100-999人の中規模企業で、やや新卒枠受け入れ率が高いように見え、1000人以上の大規模企業で受け入れ率が低い雰囲気がある。ただし「受け入れ予定なし」の差は10ポイントにも満たず、決定的な違いでは無い。
なおグラフ化は略するが、今調査の1年前、2011年に行われた同様の調査結果と比較すると、全体値としての「新卒枠での受け入れ」率は増加しているが、特に小規模企業(従業員100人未満)で大きな値の上昇が確認できる(受け入れ派合計が37.0%から50.8%へ増加)。リリースの指摘にもある通り、新卒枠を広げることで人材不足を解消したい思惑が、規模の小さな企業にはあるのかもしれない。
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